義理 太宰side ページ27
これから敦くんは白鯨へ乗り込む。
その手筈を整えている頃、私の脳裏にはある1つのことが浮かんでいた。
これは私がポートマフィアの地下牢に拘束されて中也と会った時の事だ。
*
【数日前】
「あァン?Aの居場所だァ?」
中也は何を言ってるのかわからないとでも言いたげな顔で私を見た。
「…そうか。手前はしらねェのか」
「………まさか…」
すると階段の1段目に足をかけたまま中也は嫌そうな顔をして振り向いた。
「奴ァ今ポートマフィアにいる。」
あぁ、嫌な予感が的中してしまった。
彼女は何があってもポートマフィアにだけは戻らないと思ってた。
…いや、私が「何があってもポートマフィアにだけは戻って欲しくない」と勝手に思っていただけなのかもしれない。
「………まさかとは思ったけどね。
そんなすんなり教えてくれるなんて何か悪いものでも食べたの?」
「勘違いすんじゃねェぞ。これは彼奴のために言ってるだけだ。
手前に聞かれたからじゃねえ」
何か作戦を進むに当たっていつも綺麗にことが進む理由。
異能特務課からの援助だ。それも個人的な。
組織が名を挙げて援助してるわけじゃなくて、ただ個人が特務課の物を使って探偵社を援助している"個人"がいる事は以前からわかっていた。
それは安吾か国木田くんあたりが仮を作った特務課の構成員が個人で援助をしているだけかと思っていた。
でも、もしかすると……………、
「…………いや、でもAは最後私を突き放すようにしてポートマフィアを出た。なら助ける必要は…」
「1つ教えてやらァ。」
中也は私に背を向けたまま喋り出した。
「手前らがポートマフィアを出てから今までの4年間、彼奴ァ手前の為だけに生きてきたらしい。」
「……中也、よくわからないんだけど」
「俺も知らねェよ!
でも、彼奴が色んな組織に在住してるのも、探偵社の手助けしてんのも、全部手前だけの為っつー事は確かなんだよ。
本人が言ってたんだから間違いねェ。
あぁ、あと彼奴に言うなって言われてたから本人には言うんじゃねェぞ。」
絶対に言ってやろう。
そんな思いを後に私は地下牢を出た。
*
これで話は繋がったのだ。
今回の作戦は、Aが必ず手助けに来ることを前提に作戦を進めて全てを活かすことにした。
「………あぁ、会いたい。」
そんなか細い一言とともに机に突っ伏した。
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紅月天音(プロフ) - 桜紅葉さん» 本当にありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2017年2月26日 22時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - お返事ありがとうございます。楽しみにしています。これからも頑張ってください。応援しています。 (2017年2月26日 16時) (レス) id: 54de0e772b (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - 桜紅葉さん» ありがとうございます!番外編の件も個人的に考えております。一応まだ終わらないつもりなので引き続き応援よろしくお願いします!! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - この話サイコーです。その後談で夢主と太宰さんの番外編が見たいです。 (2017年2月25日 13時) (レス) id: 54de0e772b (このIDを非表示/違反報告)
紅月天音(プロフ) - あらりぶさん» ありがとうございます!不定期な更新ですみません…。もっと早くお話を届けられるように頑張ります! (2017年1月28日 15時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅月天音 | 作成日時:2017年1月17日 21時