【文豪ストレイドッグス】太宰治と狼少女2【太宰治】

組合の長 ページ24

優しく、でも強く。


抱きしめた。と言うより、抱き締めらてる。と言う方が正しい表現かもしれない。





「……大きくなったな…」


「……Aさんは綺麗になりました。」


「なら君はかっこよくなった。」




「オイオイ、そこまでにしとけ。太宰に怒られんぞ」






ふっと笑うと身体を離した。






「もし仮に帰って来たとしても、次は敵だからな。容赦はしない。」


「たりめえだろ」






そう言って目的地まで歩き始めると、2人は確かに笑っていた気がした。









*









ポートマフィアに潜入した時からわかっていた。

潜入すれば探偵社を優勢に導ける。代わりにボクはギルドに売られ、消される可能性も十分にある。



それと引き換えに、ボクは組合に売られ、ポートマフィアに情報や金銭が回る。




これでボクを売らない方がどうかしてる。







本当のことを探偵社や中也と龍之介に言わなかったことは悪かったと思ってる。




でもボクにはこの道しかないのだ。









龍之介が殺してしまったSPが案内するはずだった扉は目前。



大きな音を立てて扉を開けると、客室のソファーには金髪の異国人が座っていた。









「やあ、君が充戯くんだね。」









そんな声と共にボクの意識は遠のいていた。



底のない暗い闇を永遠と落ちて行くような。

落ちたら二度と這い上がることのできない闇に引きずり込まれる感覚がした。

想定通り→←お別れ

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