【文スト】霊感持ちの異能力者は毎日大変です。

天真爛漫な魔法使い ページ44

*

｢A！Trick or Treat！｣

『乱歩さん、飛びつくのはやめましょう？』


危うくケェキが落ちるところでしたよ。

乱歩さんは魔法使い。
去年も魔法使いだったけど、衣装がレベルアップしてる。

与謝野さんだな。


｢お菓子頂戴！｣

『待って下さい、いま出しますから』


私がお菓子を渡せば、満足気ににっこり笑う。
…正直26歳に見えない。


｢はい、A。あげる〜｣

乱歩さんがくれたのは 3つの飴。
ハァト型で可愛らしい。


『ありがとうございます！』


乱歩さんがくれるものにハズレが無いのを知っているため、どんな味かとわくわくする。


｢ねーねー、社長にはあげないの？｣

『社長、甘いものお好きですかね？』

｢貰ったものは大切にする人だし、受け取るよ｣


その言葉を聞いて、与謝野さんと話す社長の元へ駆け寄った。

『社長、与謝野さん！HAPPY HALLOWEEN！』

｢おや、可愛いねェ｣

｢くれるのか｣

『はい！』


乱歩さんの言う通り ちゃんと受け取ってくれた。
2人は私の頭をよしよしと撫でてくれたけど、生憎そんな年齢では無いため すこし複雑な気持ちだ。

｢A、この三鞭酒(シャンパン) 中々美味しいよ｣

『じゃあ、少し頂きます』


三鞭酒を口に含むと、爽やかな甘さとほんの少しの苦味が口に広がる。
スッキリとした味で、炭酸もそこまで強くなく飲みやすい。

気を抜いたら、飲みすぎてしまう程に。


〜

『んー、もう一杯！』


けれど御生憎様。
お酒には強い体質なので 酔い潰れて〜、なんてオイシイ展開にはならない。

途中から混ざった国木田さんからもスコーンを貰った。
めちゃくちゃ形が綺麗で、思わず
｢お母さん…！｣と言ってしまった。
そしてすかさず、｢母ではない！｣と怒られました。


けれどまぁ、その国木田ママも

｢らざぁい……しごとをしろぉ…｣


与謝野さんのお陰で 酔い潰れたけれど。

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