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願いを込めて ページ13

雨森 side


『七夕……か』


幼い頃を1人で過ごし
餓死寸前のところを 社長に拾われてからも忙しい日々を過ごしてきたA


最近は 落ち着いてきて
ゆっくりとする時間も増えた


『あ…』


目に止まったのは 商店街に設置された笹


「あ!Aちゃん!あんたも書いてきなさいな!」


声をかけてきたのは 肉屋のおばちゃん


『じゃあ……お言葉に甘えて』



とは言ったものの、何を書こうか…



思い付くのは
星に願っても如何にもならない事ばかり



「Aちゃん 好きな人とかいないのかい?」

おばちゃんがお店から出てくる

『居ないんですよねぇ…残念ながら』



生まれて此方 恋愛をしてことの無い私は
七夕に恋愛祈願をするなンて乙女な事はしない



「なら、一般的な健康とか安全かね」


『うーん…………………あっ』

良い願いが思いついた
とっても良い


「良いのが思いついたかい?」

『はい!』


さらさらっと書き上げて 笹に吊るす


「おやぁ……うん、凄く良い願いだ」



にっこりと おばちゃんが笑う
其れにつられて 私も笑う


『じゃあ、そろそろ帰りますね』

「あ、待って待って!これ 良かったら食べて!」



おばちゃんに貰ったのは コロッケとゼリー


「そのゼリー うちの娘が作ったんだけど多くてねぇ」


貰ったゼリーは
ソーダのゼリー中に ナタデココと 星型の白いゼリーが散りばめられている

まるで 夜空のようだ


『ありがとうございます』


そういって 私は家へと向かった





_____________

太宰side

太 「おや、今日は七夕か」

笹の周りに 何人かの子供がいる
必死に手を伸ばして 短冊を括りつけている

「太宰ちゃん!書いていきなよ!」


私に声をかけたのは 肉屋のおばちゃん

太 「なら、書いていこうかな」


うーん
矢張り Aちゃんとの心中?


ふと
1枚の短冊に目が止まった
水色の短冊には 雨森 と書かれていた


太 「これは……」

「嗚呼 先刻Aちゃんが書いてったのよ」



おや……そう来たか……




Aちゃんの願いを見て 毒を抜かれた私は
柄にも無い願いを短冊に綴った



風に吹かれて揺れる笹



隣合う 2枚の短冊


1枚目は《この平和な日常が続きますように》と
女性らしい綺麗な字で書かれていた


2枚目は 《みんなの願いが叶いますように》と
書かれていて 名前は無かった





夜空に煌めく満天の星と大きな月





その月と星は このヨコハマを見守っている

雨からの贈答品→←恋バナ



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月瀬(プロフ) - 魔異さん» リクエスト ありがとうございます!ぜひ書かせていただきます (2019年10月13日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
魔異 - こんにちはです=(^.^)= リクエストです 幼女化するか猫耳メイドになって欲しいです これからも頑張れ頑張れ(*゚▽゚*) (2019年10月13日 17時) (レス) id: b37b6d06e3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 大阪さん» 分かりました!文ストキャラが夏目の世界に行く感じで良いですか? (2019年9月28日 8時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - 夏目友人帳とかの、妖怪が出てくる話とのコラボ、お願いします! (2019年9月28日 8時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - ソラさん» リクエスト ありがとぉぉおおお! (2019年9月24日 20時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まふ | 作成日時:2019年6月29日 20時

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