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六十八匹 ページ33

…………

「死ねよ……アンタ」

拳が降り下ろされる




その時。

「神火さん……」
「……」

ふー…ふーっ……
荒い息を繰り返す神火の拳は小さな手に押さえられた。

「哉ですよ。あとは任せてください……」

にっこりと微笑んだ哉はゆっくりとした動作で神火を小雪から離した。

「主、行きましょう……」

何処からともなく現れた裂狢に連れられおぼつかない足取りで廊下の闇に消える神火。
残された二人はお互いに無言。

「……何しに来たのかな?」
「……うっさい」

前歯が折れ、顔は青く腫れ上がっている。
神火を怒らせた結果がこれだ。

「医務室いこうね」
「……彼奴が……彼奴が首領補佐だからって調子に乗るのが悪いのよ…」
「どれだけ大変か……知らないくせに喋らないで下さい」

私までキレてしまいそう

笑顔でそう吐き捨てた哉は小雪の腕をつかみ引き摺って医務室までつれていく。
晒し者にでもするつもりなのだろう。
その小さな体にあり得ないほどの力を入れ、尚且つ回りにそれを感じさせない。
その怒りは神火のためのもの。

哉は知っている。
神火は狼の主で、狼の本当の恐ろしさを。

小雪は知らない。
神火の地位も、狼の恐ろしさも。

小雪は知らなくて哉は知っている。
嫉妬に狂った神火は荒神だと言うことを。


――――――――
今夜は完結に向けて一気に更新していきまーす!

六十九匹→←六十七匹 ※暴力表現が有ります。



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カナzb - え!!ここにもいる!!え、スゲェ!! あ、しっかりとこの小説も堪能しやすね。ゲヘヘへ! (2020年1月24日 0時) (レス) id: a1a86ad9f2 (このIDを非表示/違反報告)
弑逆ノ桜 - 銀桜さん» 僕もすごく共感します←メチャクチャうらやましいです…… (2019年9月18日 21時) (レス) id: 2401fbbebc (このIDを非表示/違反報告)
銀桜(プロフ) - 神火ちゃんが色々と羨ましい… (2019年9月17日 0時) (レス) id: 1194b2a018 (このIDを非表示/違反報告)
弑逆ノ桜 - 銀桜さん» 有り難う御座います!!リクエスト受け付けるんでなんか思い付いたら言ってくださいね! (2019年9月11日 20時) (レス) id: 2401fbbebc (このIDを非表示/違反報告)
銀桜(プロフ) - 続編おめでとうございます。これからも更新頑張ってください! (2019年9月11日 17時) (レス) id: 1194b2a018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弑逆ノ桜 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/homupe2019/  
作成日時:2019年9月11日 15時

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