初めましてのメェメェメェ。【文スト 青時代 中原中也】

十七匹。 ページ21

ノーサイド

「いいよ。」

クルリと振り返り岩から飛び降りた太宰。

「聞いたね?じゃあさっきの打ち合わせ通り子供は攻撃しないように」

「…あいつ…この状況まで予想してたのか…」
「怖いねぇ…」

急に聞こえた声に思いっきり体を揺らす。

「いでっ…ちょ、羊くん動かないで…」
「わ、悪ぃ……ってか起きろよ!」
「えー…ちょっと無理」

何でだ…中原は神火に聞くまえに理由がわかってしまった。

「おまえ…まさか」
「んはは…君の下僕だからねぇ。嫌なことは全部代わりにやらないと。」
「だからって…!!何も傷の代わりまでしなくたって!!」
「だ…から…」

揺らした足から神火の頭がずり落ちそうになる。

「っ…」
「…ふふ…ちょ…っと…役得…?」
「黙ってろ」
「…」

ずり落ちた頭を中原自身がもとの膝の上へ戻した。

「…ぁ?」
「寝てろ」
「それ…は…命令…?」
「其れで手前が寝るなら答えはYESだ。」
「そ…か…じゃ…ぁ…寝る…よ」

目の上に置かれた手。それが嬉しいと言うように口許を綻ばせた神火。
然し中原が目の上に手を置いた理由は…

「…はぁぁ…////」

自分の顔を隠す為だった。

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