○内密に ページ14
坂口side
「いやあ〜変わってないね安吾ちゃん」
「あの、さっきから気になってたんですが『ちゃん付け』は止めてください」
僕は男なのに、何故[名前+ちゃん]になっているのだろうか。
何かの癖か?…イタリアから帰国しても治らない癖?
「え、じゃあ安吾?」
「まぁ『ちゃん付け』以外ならご自由に」
「じゃあ安吾でいいや」
よくわからないが、これはこれで一見落着というやつだろうか。…いや、そういうやつでいい。
「あー、ねぇちょっと来てよ安吾」
Aさんに呼び出され、近くの部屋に二人で入る。
「何です?僕まだ仕事が」
予想していなかった言葉だった。
「あの人、死んじゃったんだね」
僕は石のように固まった。否、動けなかった。まるで、その言葉自体が僕を動けないようにしたみたいに。
「あまり人を煽る趣味はないよ、私も知ったよって話だけ」
…何が、言いたいのだろうか。
何も返すことの出来ないまま、時間だけが過ぎる。
「……いい人だったのになぁ」
その顔は、酷く、今にも泣きそうな顔だった。
誰相手でも通じる、過去を思い出すような、そんな表情だった。
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武島排球部員+ - ありがとうございました; すっかり忘れてました(( 次から気を付けます! (2017年6月7日 18時) (レス) id: 97e2b18ddc (このIDを非表示/違反報告)
言刃(プロフ) - 良い作品ですけどオリフラ忘れてますよ! (2017年6月6日 20時) (レス) id: 5a0e5884d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:武島排球部員+ | 作成日時:2017年6月3日 22時