好きになっても良いですか？2（赤） (ページ38)

今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:105,665 hit

88 ページ38

「どの俺がいい？」

『え？んー、全部大毅くんだもん』

「どんな俺でも好き？」

『へ？』

「じょーだん。ご馳走様でした！

美味かった！やっぱりA先生の手料理は最高やなぁ」

冗談？

や、さっき真面目な顔してた

今日の大毅くんは特に何を考えてるのかがよく分からない

大毅くんは自分の食器を流しに持っていくと、お皿を洗い始めた

私も食べ終わると「一緒に洗うから持ってきて」と言って私の分のお皿も洗ってくれた。

『お皿拭こうか？』

「お、じゃあお願い」

今日何かあったのかな？

疲れてる？

体調が悪い？

...寂しいとか？

少し様子がおかしいのは分かるけど、その原因がなんなのか全くわからない

「なーなー、これ一緒にみーひん？」

洗いものを終えた大毅くんが私に携帯を向けた

『映画？あ、これすごく話題になってるやつ？』

「そ、むっちゃ泣けるらしいで？」

最近ネット配信が始まった恋愛ものの映画。

大毅くんもこういうの見るんだ。

『でも...』

時計を見ると19時すぎ

映画を見たら21時を超えてしまう

「服が乾くまで！な！」

見ようやーと言いながら本人はもうテレビをつけて準備を始めている

『ちょ、お皿拭き終わるまで待っててね！』

「どうしよっかなー」

服はきっともう乾いてる。

きっと大毅くんも気付いてる。

今日は何かあって、誰かにそばにいて欲しいのかもしれない。

「しゃーないなぁ、手伝ったるわ」

『ありがとう。

私もこの映画見たかったんだ』

「ほな早よ見よ！

よし、洗いもの終了！」

わざとらしくて走ってソファに座り、早く早くと手招きをする

まだそばにいたくて、

何にも気づかないフリして、私は隣に座った。