好きになっても良いですか？2（赤）

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きっとほんの数秒だったと思うけどなんだかとても長く感じた



体を離すと「風邪ひくから風呂入ってきて」と手を引っ張るから、慌てて靴を脱ぐ




洗面所に押し込まれるともう一つバスタオルを出しててドラム型の洗濯機の上に置いた




「乾燥機使い方わかる？

風呂入ってる間に、先に下着だけ乾かして

服は貸すからゆっくり乾燥かければええし」





このボタンな？と説明をしてくれるが、私としてはそれどころじゃない



『タオル貸してくれただけで十分だよ！

それより大毅くんも濡れてるんだから、大毅くんが入って！』




「着替えは持ってくるしとりあえずお風呂にしっかり浸かってからだを温めること」





私の話は全然聞き入れてもらえず、洗面所のドアが閉められて大毅くんは出て行ってしまった








大毅くんってやっぱり強引かも...


体調が心配で来たのに、逆に風邪をひかせてしまうかもしれない

でも帰るって言っても聞かないだろうし...とりあえず大毅くんの言う通りにしよう







服を脱ぐと洗面台の上で絞り、肩にかけてくれてたバスタオルの上に置かせてもらった


キャミソールと下着は乾燥機にかける





シャワーでからだを流し湯船に浸かると、冷え切ったからだがポカポカとあたたかくなるのを感じた





『気持ちい...』






早くあったまって出ようと、あごのあたりまでお湯に浸かる







「A、着替え持ってきた

今入っても大丈夫か？」




コンコンコンというノックのあと、大毅くんの声が聴こえた






『うん、ありがとう』




返事をするとドアが開く音がした





すりガラスの向こうに大毅くんの影が見えて、なんだか緊張する




「ちゃんとあったまりや？」



『う、うんっ』





ドア越しの会話にちょっとのぼせそうなくらいだ









ドアが閉まる音がして、ふーっと大きく息を吐いた



好きな人の家でお風呂に...

改めて周りを見ると、男性もののシャンプーなんかが置いてあって、ドキドキしてのぼせる前にとお風呂を出た






さっき用意してくれてたバスタオルの横に、綺麗に畳んだ着替えが置いてあった



からだを拭いていると、嗅いだことのあるにおい







あ、

あの時大毅くんに返してもらったタオルと同じだ





良い香りだなって思ったんだよね







乾燥機の下着を出して、かわりに濡れた服を入れて乾燥機にかける



用意してくれたTシャツとハーフパンツ、薄手のパーカーを着て、リビングへ向かった

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