好きになっても良いですか？2（赤） (ページ1)

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何も言わずに歩き出す大毅くん

少し先に建物の明かりが見える

周りが真っ暗で少し怖くて、出来るだけ離れないように後ろをついていく

「大丈夫か？」

と時々振り返ってくれるから、うんうんとうなづく

たどり着いたのはロッジのような木でできた可愛い建物のレストラン

扉を開けると中から「いらっしゃいませ」と男性の声がした

「おー！重岡くん！いらっしゃい」

「橋本さん、今日はわざわざ開けてもらってありがとうございます」

橋本さんと呼ばれた男性は、落ち着いた大人の雰囲気で30代後半くらいに見える

大毅くんの肩を叩き、とても親しげだ

2人のやりとりをじっとみていると、橋本さんと目が合う

「可愛いお連れさんだね」

大人の雰囲気なのに、エプロン姿でニコッと笑う姿はすごく愛嬌があって、誰とでも仲良くなれそう

『はじめまして。AAです』

「はじめまして。オーナーの橋本です。

さ、席へどうぞ」

中には木のテーブルと椅子が2つ並んでるだけで、他にテーブルはなさそうだ

私がキョロキョロしていると、お水を持ってきてくれた橋本さんが、今は予約1組限定のレストランをしている事、昔大阪で洋食屋さんをやっていた時に大毅くんが通っていた事を教えてくれた

「あの頃はもっと小さくて可愛かったのに、大きくなったよなー」

そんな事を言いながらキッチンへと戻って行った

「橋本さんのホワイトシチューめっちゃ美味しいから！」

『へぇ！楽しみ！！

大毅くんの思い出の味なんだね』

「せやねん！ジュニアの頃レッスンしてた所の近くにお店があって、よぉ通ったわ」

昔の思い出を語る大毅くんはとても楽しそう

「はい、お待たせしましたー」

橋本さんがサラダやパンを持ってきてくれて、最後にホワイトシチューが置かれる

少し大きめの野菜や鶏肉がごろごろ入っていて、とても美味しそう

『美味しそう！』

「ほんま上手いから！食べよ！」

2人でいただきますをして、一口すくってシチューを口に入れる

『美味しい！』
「うんま！！」

顔を見合わせると2人とも満面の笑み

「橋本さん！やっぱ最高っすわ！」

大毅くんがそう言うと、橋本さんがキッチンから親指を出してグーサイン

美味しくて夢中で食べてたら、2人ともあっという間に食べ終えてしまった