【文豪ストレイドッグス】前略、トリップしました〔織田作之助〕

三十九日目 ページ40

「あ、そうだ

丁度よかった


渡そうと思ってたものがあったんだ」



椅子から立ち上がり、机の引き出しから箱を取り出す



「渡そうと思ってたものってなンだ？」



「ん〜、これ


この前、巻き込んだお詫び」



蓋を開けて中身を中也に渡す


「こりゃ、チョーカーか？」


「そ。この前見つけて、中也に似合うかなって思って」



今の中也はチョーカーを着けていない


普段それに違和感を覚えていたので、ずっと探していたのだ


そして、ようやく、数日前に見つけたのだがら、渡すタイミングが見つからずそのままになっていた


「どう……かな……？」


じっと見つめて何も云わない中也に不安になる


原作と同じシンプルなものなのだが、どう反応するのか……



「気に入った！！」



ニッと笑った中也にほっとする



「それはよかった」



嬉しそうに、早速チョーカーをつける中也を見つめる


「どうだ？」


「うん、似合ってる」


いやー、やっぱり中也はそうでないとね



「何、ニヤニヤしてンだよ」



「してないよ」



「してるンだよ」



「いひゃい」



緩んだ頬をつねられる


だってあの中也だよ！


しかもまだ小さい！


ニヤケずにはいられないでしょ！



「ありがとな」


「いえいえ」



喜ぶ中也を見ながら珈琲を、すすった

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