【文豪ストレイドッグス】前略、トリップしました〔織田作之助〕

二十五日目 ページ26

中也との食事については触れないでおこう



ほとんど私の記憶が飛んでるから覚えてないという方が正しい気がするけど、それはさておき



さすが、高級料理、おいしかった



私の断片的な記憶でそう云ってる



織田作にそのことを話すと



「………よかったな」



今度は俺が連れて行ってやる的な展開にはならなかった



中也さんとは今度も連れて行ってやる的な展開になったけど




「織田作と一緒にご飯食べたいな〜」



そんな言葉をぼやくと、織田作が不思議そうな顔で言った



「いつも一緒に食べているじゃないか」



そうでした



確かに毎日、昼ご飯は食べてるよ？



遅くなりすぎると夕食も行くけどね



それとは別でね、もっとね、ちゃんとしたね、やっすい料理屋とか、居酒屋とかじゃなくてね……



はぁ、もういいや、最下級構成員の安月給で行ける場所じゃないことは明らかだったし



年下に連れて行かれる私もなんかあれだわ



そうだ、改めて年齢を計算すると中也も太宰も、年下なんだよな



トリップしたら年下がいいとか思ってたけど、まあ、その辺はトリップできて織田作の相棒になれたということで許してやる



「ねえ、この倉庫の片づけっていつまでやるの？」




「終わるまで」




「だよね〜」



ぐちゃぐちゃの全く整理されていない倉庫の片づけを今している



見てはいけないものが時々出てくるけどその辺は全力でスルーしてる



「ねえ、さくさん


私が誰かと仲良くしてるの見たらどう思う？」




なんとなく聞いてみた




「仲がいいなと思う」




だろうね！！！


ま、そうなるよね！！！



織田作が私にやきもち妬いたり、恋心を抱くわけないよね〜




ああ、涙でそう



「せめてやきもちくらいは妬いてほしかったな」



ぼそっと漏れてしまった言葉




昼食はモチだった


その天然さが好きです、織田作

二十六日目→←二十四日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す