太宰さんが連れている子【文スト】

可愛い　23 ページ26

NOside

切れた電話音から耳を離し切る

「幾ら強くとも駒は駒か」
黒い服を纏った男が言う
「貴方はどうだ？」
「駒か或いは＿＿＿」

階段をコツコツと降りる音がする
その階段の先にいる者は鼻歌を歌っている

「♪♪〜♪〜〜ふんふふーん♪」

無言で降りてくる男
名を芥川

自身の外套を鋭くし今だ鼻歌を歌っている男の横に刺す

「たらーったったー♪」
ゆっくりと横から男の首えと移し刺す

男はそれで芥川の存在を認知したようで
「…ああ君いたの」
と言う
首に刺された鋭い物は音を立てて消えていく

「此処に繋がれた者が如何な末路を辿るか＿＿＿知らぬ貴方ではない筈だか」
男はその言葉には返さず

「懐かしいねぇ君が新人の頃を思い出すよ」


「貴方の罪は重い」
「突然の任務放棄そして失踪」
「今度は敵としてマフィアに楯突く」
「とても＿＿＿とても元幹部の所業とは思えぬ」


「そして君の元上司の所業とは？」
芥川はやっと言葉を返した男を殴る

「貴方とて不損不滅ではない異能力に頼らなければ傷付けることもできる」
「その気になれば何時でも殺.せる」

明かな殺気を向ける芥川

「そうかい」
「偉くなったねぇ」
挑発するように話す男の名は太宰

「今だから云うけど君の教育には難儀したよ呑み込みは悪いし独断専行ばかりするし」
「おまけにあのぽんこつな能力！」

その言葉に僅かながら反応した芥川

「貴方の虚勢もあと数日だ」
「数日の内に探偵社を滅ぼし人虎を奪う」
「そして＿＿あの少女を消す」
「貴方の処刑はその後だ」
「自分の「待ち給えAちゃんに何をしたんだい？」


「人虎の捕獲及び暗殺者の邪魔をされ、ソレを排除した迄」

太宰は人が動けなくなるであろう殺気を芥川に向ける
「Aちゃんに手を出したら神でも殺.す」
「ああ後私の新しい部下は君なんかよりよっぽど優秀だよ」

芥川は太宰を感情の侭殴った

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