太宰さんが連れている子【文スト】

可愛い　16 ページ19

敦side

電車に乗った後、僕は与謝野さんに謝った
「済みません、さっきは」


「気にするこたァないよ……ところでさ」
「アンタマフィアに脚を喰い千切られたそうじゃないか」

頭の中に浮かぶのは芥川との戦いだった
「……ああ」


『何よ変なかおして』
ん？この声は……


「Aちゃん！？どうして此処に」
探偵社にいたはずなのに…

「Aじゃないか、出掛けるのかい？」


『いいえ、家に帰るのよ。太宰ってばどこにもいないし…』
そっか谷崎さんが探してくれるとはいえ心配なのか…
『ただ家出って云うものをしようかと思ってみただけよ』
にっこりと笑って言うAちゃん
いや、それをすると太宰さんが心配し過ぎると言うか…

「Aが居なくなったら発狂するよ。何時もあんなんだしねェ……マフィアに乗り込むかも知れないね」

そうだ、太宰さんはこの子の側に何時も付いている
まるでこの子が消えないように繋ぎ止めるみたいに
「Aちゃん」


『何よ？』

きっと大切な存在なんだ

「きっとAちゃんは太宰さんにとって大切な存在なんだよ。だから太宰さんの前から消えたりしないで欲しいな」
Aちゃんの頭を撫でる

『アツシがそういうなら考えとく』

プイッと顔を剃らして照れているAちゃん


この子の中では太宰さんは大切な存在なのかな？
でも、本当に嫌いだったら心配して探したりしないよね

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