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二十四話 ページ28

島崎side


神様、どうか殺さないで


2回も、僕の弟を奪わないで


そんなことを思いながらAに手を伸ばす


ゆっくりと目を開けたAの手をしっかり掴む


Aは一瞬驚いたような顔をした後、笑った


ゆっくり、掴んだ手を離さないように、上へ登っていく


二人で水面へ浮かび上がった


息を整えてから、僕は口を開いた


島崎「…A…ごめんね


ずっと一緒にいれなくてごめん


僕が一番気づけたはずなのに、Aの気持ちに気づけなくてごめん


サヨナラも言えなくてごめん」


今までの思いが、こんなにも短い言葉になって口から溢れた


それと同時に涙も溢れた


冷たい水に、涙がボロボロと溢れて水面が揺れる


『…そんなに、謝らないで…


悪いのは僕だから


勝手に死んで、ごめん


今も、心配かけてごめんね」


そう言ったAの目からも涙がこぼれた


とても綺麗な涙だった


その涙が水面に落ちた時、水は消えた


田山「島崎!?と、梓羅川!!」


周りには第一回派のみんながいて


安心して、また涙がこぼれた


隣でAが「泣き虫だなぁ…」なんて言いながら僕の涙を拭いた


こんなに安心して、幸せなのはいつぶりだろうか


『皆さん、ごめんね…心配かけました…』


みんなで笑いながら、本を出た


侵食者達もすっかりいなくなり、綺麗になった本から



ーーーーーーーーーーーー
YOU sideに戻る


心の重石が取れたようだった


久しぶりに泣いたんだ


嬉しかった


泣くのが嬉しいなんて、変な話だけど…


良かった。またみんなと笑いあえて


朔くんにも、会いたいな


武者くんや、秋くんにも…


僕は、みんなに迷惑をかけてばかりだけど、やっぱりみんなと居たい


みんなは、許してくれる


こんな僕でも、一緒に居てくれる


優しいみんなを、守れるように…


早く図書館へ帰って、ちゃんと潜書しよう


みんなに頼られるぐらい頑張ろう


これからも、仲良くできるように…


本の侵食がなくなって、平和な世界にするために…






その時の僕はまだ、本の侵食がなくなった世界について、考えたことはなかった



ーーーーーーーーーー
第一の山無事完結!
更新頻度すごく下がってるけど許してくださいぃ…m(._.)m

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黒井 ショウ - 続き書いてくれるの楽しみにしています! (2月22日 20時) (レス) @page32 id: 8032af1e8b (このIDを非表示/違反報告)
新美悠華@文アル大好き💛 - おもしろいですこれからの投稿楽しみの極みですこれからも頑張って欲しいです (2023年3月19日 13時) (レス) @page2 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - カナリアさん» コメントありがとうございます!更新頑張りますよ〜!純粋なベーコンレタス大好き()同士ですね、きっと分かり合えます(( (2021年2月19日 0時) (レス) id: 6b1d6451ea (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - 筆ペン屋さん 極細さん» コメントありがとうございます!返信遅くなっちゃってすみません…更新これからも頑張りますね〜 (2021年2月19日 0時) (レス) id: 6b1d6451ea (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - とても良い作品ですっ!更新頑張ってください。((ベーコンレタスは純粋な恋っww私も好きですよ。((誰得 (2021年2月18日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐狸 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年8月15日 17時

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