二十三話 ページ27
島崎side
本の中に潜ると、そこはだだっ広い場所だった
上を見ても、下を見ても、右も左も…全て白
何もない、’’無限’’の世界だった
混乱する僕たちに御構い無しに出てくる侵食者達
その数は、今まで潜書してきたどの本よりも多かった
田山「くそっ…キリがねぇ！」
島崎「花袋…！どうすれば…」
ただでさえ混乱しているというのに、侵食者達と戦わなければならない
この白の世界の中からAを探し出せ、と
正直、無理なんじゃないかと思った
諦めそうになった
けど、その時微かだけど、確かに聞いたんだ
Aの声を…
島崎「っ…A！」
急に叫んだ僕に驚いて会派のみんながこっちを向く
そんなの気にしない
気付いたら声がした方に向かって走っていた
侵食者達が追いかけてくるが、花袋達が倒してくれた
走って、走って、走って
どのくらい走っただろうか
あたりがいきなり暗くなったのだ
いや、’’別の場所へ来た’’という表現の方が正しい気がする
足下には水が張っていて、だんだんと量が増えていた
水が膝のあたりまで来た時
さっき聞いたAの声がまた聞こえた
今度は、はっきりと…
＿＿＿＿＿＿＿＿春、くん…？＿＿＿＿＿＿＿＿＿
島崎「Aっ！何処？」
あたりを見回すが、何もない
＿＿＿＿＿＿＿＿放っておいて＿＿＿＿＿＿＿＿＿
島崎「そんなこと、出来ないよ」
いまだに姿が見えないAと会話をする
水嵩が増してくる
もう腰のあたりまで水が来ていた
どす黒い、汚い水
これが’’狭キ世語リ’’の少年の見ていた世界なのだろう
水に沈まないように、走った
世界の常識に沈まないように
もう、どのくらい走ったんだろう
向こうの方の水面が揺れていた
まるで、誰かが水面の上を歩いているかのように
島崎「A…？」
声が溢れた
あの日と同じ服を着たAが、目の前に立っていた
『放っておいてって…言ったのに…』
島崎「そんなこと、できるわけない」
悲しそうに笑うA
『終わりだよ、全部…2回目の、サヨナラ…』
Aがそう口を開いた瞬間、周りの水が一気に増えた
口から空気が漏れる
苦しい
息ができなかった
ふと目を開けた
何かに引っ張られるように沈んでいくA
だめだ、行っちゃダメだ
手を伸ばした
水を蹴って、Aの方へと泳いだ
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黒井 ショウ - 続き書いてくれるの楽しみにしています！ (2月22日 20時) (
レス) @page32 id: 8032af1e8b (このIDを非表示/違反報告)
新美悠華＠文アル大好き💛 - おもしろいですこれからの投稿楽しみの極みですこれからも頑張って欲しいです (2023年3月19日 13時) (レス) @page2 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - カナリアさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますよ〜！純粋なﾍﾞｰｺﾝﾚﾀｽ大好き()同士ですね、きっと分かり合えます(( (2021年2月19日 0時) (レス) id: 6b1d6451ea (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - 筆ペン屋さん 極細さん» コメントありがとうございます！返信遅くなっちゃってすみません…更新これからも頑張りますね〜 (2021年2月19日 0時) (レス) id: 6b1d6451ea (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - とても良い作品ですっ！更新頑張ってください。((ベーコンレタスは純粋な恋っww私も好きですよ。((誰得 (2021年2月18日 7時) (レス) id: 74f0a1383a (このIDを非表示/違反報告)
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