【文アル】サヨナラって悲しいかな

十八話 ページ22

ここに来てから暫く経ち、あることに気が付いた


気が付いた、と言うより’’思い出した’’に近いのかもしれない


僕は、生前、人を信じると言うことに拘りすぎていた


親と子のあの絆が羨ましかった


信頼できる、親友と呼べる存在がいる人が羨ましかった


僕にも、信じられる人が居たなら、もっと早くに出会えていたなら


このガラクタのような世界から、こぼれ落ちない為に


冷たく凍てついた鎖にしがみつくのに必死だった


手が凍りついて、身体の芯まで冷やしていって


なのに、なんでだろう


少しも痛くなかったし、少しも寂しくなかった


手が、心が冷えていくのと同時に、感情の線も切れてしまったのかな


ある時から、いつも自分を偽って


どんなに辛くても、悲しくても、苦しくても、笑ってきた


ずっと笑っていた。他の、醜い感情を表に出してはいけない


春くんの前では、少し素直になれたけど


それでもやっぱり、張り付いた仮面(笑顔)を取ることはできなかった


辛くても、笑って、心配をかけたくなかった


でもさ、最近ちょっとわかるんだよ


’’辛いときは、泣いた方が良い’’


誰かの言葉が蘇る


嗚呼 もしかしたら僕は


とても大切な’’何か’’を、忘れてしまっているのかもしれない


どうすれば良いだろうか…


何をすれば良いのか分からなかった


いつも優しくしてくれた春くん


僕の気持ちをよくわかってくれている朔くん


無駄に明るくて、無理しがちだけど気が合う織田作


とにかく好みが似ている武者くん


悪戯仲間の南くん


優しくて、こんな僕の作品を褒めてくれる賢くん


どんなに地味でも、存在は地味じゃない秋くん


大切な人が多すぎる


大切なものを作りすぎた


これじゃ、何も捨てられない


生きていく上で、捨てるものは必要不可欠なのに…


捨てるものがない今、唯一捨てられるもの





それは









･









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿自分自身の『命』








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文才がとうとう底を尽きた(((

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