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14*入水 ページ15

『敦、大丈夫?』


「ゲホッ、ゲホッ…ハァ、ハァ…


 う、うん…なんとか」



全身びしょ濡れになった敦の背中を擦りつつ、同じくびしょ濡れ(霊まみれ)の人を小枝の先で突っついた。


いやその、失礼だとは分かってても素手では触れないっていうか…ね?




「それにしても何でこの人川なんか流れてたんだろ?」



『さ、さぁ?』



私からしてみれば何でこんなに色んなものくっ憑けてるのかが知りたい…



それ以前にまずこの人の顔が見えない。



理由は簡単、




『(霊が集っててこの人の下半身以外見えないなんて…)


 ハァ…』




普通じゃないものが見えないのは昔からだけど、


ここまで来るとため息が漏れる。



ツンツンと小枝の先でその人の足を突っついていると…



「ーーーーッハ!」


『「ヒッ!?!?」』



次の瞬間ゾンビみたいにその人の体が起き上がり、私も敦も悲鳴を上げ後ずさる。



同時に霊が気持ち悪い程うにょうにょ動いてたけど見てないから、

私、何も見てないから!!



「か、川に流されてましたけど…大丈夫ですか…?」


「……助かったか…ちぇ」


「チェッ!?」


『(今この人舌打ちした!?)』



敦の問いに気が抜けたような声で返事をしたこの人はあろうことか舌打ちをした。


私の空耳…じゃないか。

敦が凄い目で見てるし、うん。



「君かい? 私の入水の邪魔をしたのは」


「は? 入水!?」


「知らんかね? 入水、自 殺だよ」


「じ、自 殺!?」



入水、水中に身を投げて自 殺すること…


遠い昔よりその死体はまるで巨人のように変わり果てる、とか何とか?



敦の後ろで目を反らしつつ霊まみれの人の話を聞きながら、昔おばあちゃんに教わったことを思い返した。


変な所で博識な所は、今のおばあちゃんも前世の私のおばあちゃんも変わらないんだなぁ…



「ところで、」


『ヒッ!』


「そちらの可憐なお嬢さん、この後暇ならぜひ私と心中してはくれないだろうか!」



『…あ、え、っと、』



ど、ど、どうしよう…



どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようーーー!!!!!



何でか皮膚や服がデロデロに溶けた霊の塊が目の前にあった。



.

15*自殺愛好家→←13*人命救助?



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ゴーゴリンゴ - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月14日 14時) (レス) @page38 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ - モブの設定どこ行きましたwww面白いです。更新頑張ってください (2019年10月22日 13時) (レス) id: 4f45d6607d (このIDを非表示/違反報告)
すーがく - 面白いです!!更新、楽しみにしてます!ゆっくりでいいですから!澪菜さんの作品読めるだけで幸せなので! (2018年1月10日 12時) (レス) id: 9fb1372198 (このIDを非表示/違反報告)
澪菜(プロフ) - かさかさスライムさん» 返信遅れてすいません!もう本当にありがとうございます!自分のペースでなんとかやってみます! (2017年7月31日 7時) (レス) id: 9b7e5b62dc (このIDを非表示/違反報告)
澪菜(プロフ) - 八雲さん» 返信が遅くなってしまいごめんなさい!ありがとうです、全然更新できなくてへこんでましたが元気出ました! (2017年7月31日 7時) (レス) id: 9b7e5b62dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:澪菜 | 作成日時:2017年1月4日 23時

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