13*人命救助? ページ14
『ねぇ、名前は敦って呼んでも良いかな?
私も名前で呼んで欲しいし』
「え、な、名前で!?」
『うん、名前』
友達だし、名前で呼ぶのは変じゃない筈。
けど何故か敦は顔を赤くしてブンブンと顔を横に振った。
そして何かブツブツ呟いた後、意を決したように顔をこっちに向けた。
ちょっとビックリしたかも…
「ッ、A…」
『……はい、』
「…ッ// ごめん! ちょっとごめん!!」
『え、え!? 何が!?』
名前一つで何をそんなに慌てているのやら。
膝に顔を埋める敦の耳はほんのり赤い。
肌が白いぶん余計にそれが目立って見える。
ちょっと羨ましいとか思ったのは内緒だ。
そんな時だ。
『ッ、ヒッ!』
ゾクリと背筋に寒気が走った。
全身に浮き立つ鳥肌が気持ち悪い。
私の声に驚いた敦は顔を上げこっちを振り向く。
「ど、どうしたの!?」
『あ、あ…あれ、』
「あれ?
…って、えぇ!?」
若干震える指で川から流れる"それ"を指す。
"それ"を見た瞬間敦も呆然とした…けど、
『(多分…敦と私とじゃ見えてるものが絶対違う…)』
普通の人ならきっと人間の腰より上からが見えるだけだ。
いやまぁ何で川から人の足が流れてるの!?ってツッコミたいのは分かる!
分かるけど…私の問題はその先。
『(な、なんなのあの有り得ない数!!
さ、寒気が尋常じゃない…)』
一体いくつ流れる足の持ち主は体に憑けているのか…
目の前を流れ、烏に突っつかれる足を眺めていれば隣にいた筈の敦が川へ飛び込んで行った。
『(あぁ…どうしよう…)』
帰りたい、凄く帰りたい…
帰って良いかな?
お空の向こうで聞こえる烏の鳴き声を聞きながら、敦の見事な人命救助(?)を見届けた。
『(しかしあの足の人生きてるのかな?)』
川で溺れ死ぬ以前に霊に憑き殺されてなきゃ良いんだけど。
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ゴーゴリンゴ - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月14日 14時) (レス) @page38 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ - モブの設定どこ行きましたwww面白いです。更新頑張ってください (2019年10月22日 13時) (レス) id: 4f45d6607d (このIDを非表示/違反報告)
すーがく - 面白いです!!更新、楽しみにしてます!ゆっくりでいいですから!澪菜さんの作品読めるだけで幸せなので! (2018年1月10日 12時) (レス) id: 9fb1372198 (このIDを非表示/違反報告)
澪菜(プロフ) - かさかさスライムさん» 返信遅れてすいません!もう本当にありがとうございます!自分のペースでなんとかやってみます! (2017年7月31日 7時) (レス) id: 9b7e5b62dc (このIDを非表示/違反報告)
澪菜(プロフ) - 八雲さん» 返信が遅くなってしまいごめんなさい!ありがとうです、全然更新できなくてへこんでましたが元気出ました! (2017年7月31日 7時) (レス) id: 9b7e5b62dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪菜 | 作成日時:2017年1月4日 23時