[文豪ストレイドッグス×刀剣乱舞]蒼の雪猫 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:4,005 hit

猫の金平糖ページ6

意識が引っ張り上げられて、私は目を醒ました。

また終れなかったのか。

失望感にほんの少し苛まれ乍ら、身体を見た。

身体は？

…髪は、赤墨。

カーキのコート、白のＹシャツ、黒のワイドパンツみたいな物に、パンプス。

黒縁の眼鏡。

昔の恰好…現世の時の恰好に１番近い、と思う。

何か不都合も無いので、荷物を視ようとした。

が、何か手持ちも無かった。

つまり、金も無かった。

が、コートの中に手鏡と櫛があった。

手首には、現世に使って居た銀の時計、其れとゴム。

手鏡を手に、自分を覗き込んだ。

顔も、現世のそれに１番近かった。

「…先ずは金だ、そして寝床だ。」

食事は抜けばいい、其処まで水分を必要ともしていない。

然し睡眠は無ければ死ぬ。後金。

…しかし此処は、抑も何処なのだろうか？

前回と同じ路地裏だったようなので、すくと立ち上がり、身体を右捻り、左捻りしてみた。

別段問題も無さそうだ。

季節も其処まで暑い訳ではない、変に見られもしないだろう。

「…髪を括ろう、邪魔だ」

髪を簡単に後ろで団子に纏めてしまうと、其処を出た。

視界が明ける。

先ず１にも２にも、

人が多すぎて辟易した。