猫の金平糖 3−3 ページ40
「…何故…」
私はそっとほくそ笑んだ。
悪ノリの精神が疼き始めた。
「…駄目だよゆっきー。
ゆっきーは優しいから解らないかも知れないね。
でもね…同じ組織だからってさ、其れで全員が仲間想いな訳じゃない」
何とも言えない様な、何を言って居るのか理解できない様な、理解したくないような顔。
全く持って彼女は、自分の感情や体を如何動かすのか心得て居る。
「…如何、言う」
「詰まりだよ。
この人達は今繋がれて居る人がどうなろうが、如何でもいいって事だよ」
水飴を、指で微かに引いて操作。
顔を逸らせたり、俯かせたりする。
元々水飴は砂糖と水。
砂糖を操る私にとって水飴も操作対象から逃れられない。
水飴は透いて居て、空間の色と同化させるのによく使えるからそうして居るのだ。
「…そんな」
詰る様な瞳が元捕虜達を射抜いた。
「其れでもあんた等…人間な訳?
信じらん無いッ」
男の心が揺らいで、傾きかけたのを見た。
ゆっきーはそんな風な素振りを見せないけど、心内は少し解った。
後少し、と心で嗤って居るのだ。
「お前ら―――」
男を遮るように、決め手に詰った。
「どうせあんた等この人に世話になったんでしょ、の癖にこうして突っ立ってる訳?
最低ッだね!」
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年8月23日 16時