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猫の金平糖 １−９ ページ23
矢張り彼女は昔と同じ様に見るからに甘そうなお菓子を頬張り乍ら、幸せそうな笑顔を見せた。
私はその笑顔を見て居ると、何か温かい物が湧くのには違いなかった。
何か微笑ましい様な気分になるのは、矢張りこう言った物を見る時だけだった。
私と言う者が人間の感情を欠落させた欠陥品である事を唯一忘れられる時間でもあった。…
私はゆっくりと手に手袋を填めた。
何時までも感傷に浸れる程、美しい心を持っても居なかった。
若しもそんなに浸れる感傷があるとすれば、其れは。…
「…始めようか、玲」
〜〜〜〜〜
首領から任務を仰せつかって、玲来を探す事にした。
何処に居るのか解らないので、黒服に訊く事にした。
「…恐らく、雪夜さんと一緒に捕虜室ではないでしょうか」
雪夜。
誰の話だ、と思ったが、捕虜室と言う事で行く事にする。
捕虜室へと足を進めながら、任務の内容を頭の中で反芻して居た。
捕虜室ももう直ぐだろう、そう思ったその所で。
「ああああああああ！痛い、助けて呉れえええええええええええ！！
ぎ、いやあああああああああああああああああ！！！」
悍ましい悲鳴が捕虜室から聞こえた。
…一体どんな拷問をしてるんだ。
捕虜室に足を踏み入れる、…
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作者名：月霞銀樹 | 作成日時：2017年8月23日 16時
