[文豪ストレイドッグス×刀剣乱舞]蒼の雪猫 (ページ20)

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猫の金平糖　１－６ページ20

「…ゆ、ゆっきー…！！！」

ふんわりスカートを揺らしてぱたぱたと階段を駆け下り、捕虜に抱き着く。

…お前ら両方知り合いだったのか、そいつと。

「ちょ、之…拷問？

　何でこんな傷が…今直ぐ治療しなきゃ」

いや、其れはそいつが今そいつ自身で開いた傷なんだが。

直ぐに空気を砂糖化し、開いた傷を埋めて行く。

「…玲。

　そうか、…君も異能者か」

優しく微笑し、自分の傷を体を右捻り左捻りして確かめ、「凄いね」と感嘆の声。

「何で此処にゆっきーが？」

「…説明が面倒だから、海季ちゃんに訊いてくれるかな。

　少し、眠りたくてな、…ふァ…」

海季は玲来に「後で話すよ、首領含めね」と苦笑交じりに云い、彼女に部屋で休む事を進言した。

丁度使われなくなった空部屋が存在するからである。

「…んじゃ、お言葉に甘える事にするよ。

　申し訳ないね、２人共」

そいつは申し訳なさそうな、罰の悪そうな顔でそっと笑った。

「何処か判らないから玲、連れてって」

「善いよ」

ああ海季ちゃん、報告は待って居て、私も行くから。

そんな事を残した後、捕虜と一緒に地下の捕虜室を出て行った。

…其れで善いのか、と秘かに思った。