第五十三話:脱出 ページ5
「だずぃーさんが、いつまでも大人しくしている訳がない。既に地下牢には居ないでしょうから私は此処から出れないんですよ」
首領は顔色一つ変えず、何時もの笑顔のまま雅を見ていた｡
「だから脱走なんて、しませんよ？一人では無理だもの」
「…そうか。なら、良いかな？」
最悪洗脳すれば良いしね、という発言は聞こえなかった事にした…この人ならやりかねない｡
雅がそんな事を考えていると、コンコンと扉が鳴った｡
「御話し中失礼致します。首領、申し訳ありませんが予定が立て込んでおりますので、そろそろ…」
「えー?もうかい?」
不満気に声を上げた首領に、雅は苦笑した｡
「…相も変わらず、御忙しそうで」
「太宰君と君が抜けてから、ねぇ。有能な部下が減ると仕事が増えるよ」
「お褒めに預かり光栄」
冷たい態度の雅に溜め息を吐きながら、首領は椅子から立ち上がる｡
「それでは、呼ばれてしまったから私は行くよ。復帰の件、考えておいて」
ヒラリと手を振りながら首領は部屋から出ていった。
ｰｰｰｰｰｰ
―首領が退室してから数時間後。
雅は布団の上でまるで猫のように丸くなって眠っていた。
しかし突如その目をパチリと開け、窓辺へ駆け寄り勢い良くカァテンを開いた。
『やぁ。おまたせ』
「だずぃーさん！」
其処には、ベージュ色の外套を羽織った男―太宰が立っていた。
ニヤリと笑いながらヘアピンを懐から取り出すと、鍵穴に差し込み数秒揺らしていると、カチャンと鍵が開く心地好い音が響き、窓が開いた。
其処から太宰が入り込む。
「感動の再会といきたい所だけど御免ね。監視されてるからすぐに追手が来てしまう。脱出を優先するよ」
「はい!」
太宰は外套の内から、黒い袿を取り出し雅に羽織らせる。
「先刻取り返して来たんだ。お願いできる？」
「任せてください!異能力―『霜月鬼 赤蠍』!」
雅が異能を発動した瞬間、雅についていた鎖と手錠が一瞬で酸化し、壊れた。
強制的に空気中の酸素を結合させたのだ。
更にコップに入った水を、部屋中にぶちまける。
「『氷雨』」
水が一瞬で凍り付き、扉と監視カメラを分厚い氷で覆う。
太宰はそれを見て満足気に笑った。
「こんなもんですかね?」
「上出来!」
中也の悔しがる顔が楽しみだ、と太宰ら笑いながら雅を抱えた。
「…帰ったら、その服着替えるよ」
「似合ってませんか？」
「似合ってるから嫌なの」
中也の選んだ服だなんて最悪。
満足気な表情から一転、不機嫌そうな太宰を見て、雅はクスクスと笑った。
追手が氷を破り、部屋に入れたのは二人が居なくなってからだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ラッキーアイテム
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
