第六十五話:組合の刺客 ページ31
モンゴメリの異能世界から解放された敦は、呆然としていた。
異能世界で、確かに聞こえたのだ。
居る筈の無い、雅の声が。
『諦めるな、少年』
と。
あれは、あの柔らかな声は、間違いなく雅のものだった。
「…何で？」
敦の問いに、答える者は居なかった。
ｰｰｰｰｰｰ
敦と別れて、数分後。
森は、膝まづく部下達に囲まれながら、目の前に転がっている其れを見下ろした。
嘗て、組合の刺客だったモノ。
今は真っ赤に染まり、ただの物言わぬ肉袋と化したが。
「…おや、もう一人居る筈なんだけどね？」
報告を聞いた限りだと、刺客は二人だった筈だ。
「今、黒蜥蜴が拷問用に追っています。捕まえるのは時間の問題かと」
中也が頭を下げたまま答える。
「そうか。生け捕り、ね」
有益な情報が手に入れば…と思った所で、森はバッと後ろを振り向いた。
何かが、来る。
「首領、御下がり下さい！」
「…あぁ、その必要は無いようだよ」
「た、助けてくれ!!」
…駆けてきたのは、先程話していた組合の刺客だった。
酷く怯えた表情で、何かから逃げている。
「…何だ？」
「黒蜥蜴では無いようですが…」
後ろに、黒服の姿は見えない。
では、何から逃げているのか？
「鬼さん此方、手の鳴る方へ♪」
路地裏に、まだ幼さが残る声が響く。
「あは、御兄さんもう終わりなの？折角追手も蹴散らしてあげたのに」
「ヒッ!?来るな、来るな！」
男は這いずって逃げる。
最早、敵対しているマフィアなど心中に入ってないのだろう。
「た、助けてくれ!!情報なら渡す、だから…」
背中がぶつかり、初めて広津に気付いた男がすがりつく。
「助けてく、ぐえっ」
最期まで言葉を紡げなかった。
男のうなじに、小刀が刺さっていた。
「おいで？」
地面から数多の鎖が生え、瀕死の男を、追い掛けていた者の元へ連れていく。
「あ…あ…!!」
「貴方は、邪魔なんです」
その小さな手が、男の唇に触れる。
その瞬間。
男は、全身から血を吹き出し、爆散した。
「…みやちゃん」
「雅」
少女が、中也達に目を向ける。
返り血を浴びて、真っ赤に染まって。
其れでも尚、
「ちゅやさん」
愛くるしい顔で、笑った。
「何で、此処に居るんだい？君はとっくに離反した身だろう？」
「うちの社員が何人も、『これ』とは別の刺客に拐かされたものですから。その返りに、黒服が『これ』を追いかけ回して居たので」
これ、と示した者を軽く足で突く。
ぐちゃり、と粘着質な音がした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
