第五十九話:隠密で ページ23
雅が窓辺へ向かう。
「あっくん、鏡花をお願い」
「待て、お前は何処へ行く？」
身を乗りだし、外へ出ようとする雅を国木田が引き留めた。
「仕事ですよ。軍警からの依頼。最近、貿易港が荒れてる…不穏な輩が彷徨いている様なので、その原因調査です。多分、僕が一番向いているので」
書類をヒラヒラと振り、言うが早いか窓辺から飛び出す。
空中で猫の様に一回転すると、華麗に着地した。
着地の振動で着物がはためく。
「ついでに、行方不明の社員さんも探してきますよ。…多分、サボりだけどね」
敦が慌てて窓から身を乗りだし下を見ると、既に雅の姿は無かった。
「…速い…」
「アレを単純な手段で捕まえるのは至難の技だ。大抵、罠をかけるか象様の麻酔銃で眠らせるしかない。…それでも尚、動くがな」
「ええー…」
「社長、谷崎、太宰の言うことなら少しは聞く様だが…俺などはてんで無理だ。以前無理矢理縄で捕縛したら、関節を外し脱出した」
若し用が有ったら谷崎を頼れ。
そう語る国木田の目は確かに死んでいたし、谷崎は矢張、頼りなさ気に微笑んでいた。
鏡花も悟っているかの様に頷いた。
ｰｰｰｰｰ
港は成る程、確かに荒れていた。
一見、普通の港と変わらないが、よく見るとチラホラとその筋の者達が紛れ込んでいる。
「でもまぁ、許容範囲の筈だよね。なのに通報されてるのは…」
注意深く、その者達を観察する。
「…大元の組織が荒れてる？統率が、上手く取れてないのか」
個人個人が、まるで何かを競い合うかのように蠢いている。
「嫌な空気だね。潮風は思考を酸化させるから嫌いだよ」
雅は、懐から小さな笛を取り出す。
錆び付いた鉄のように赤黒い。
それを軽く口に含むと同時に小さな飴玉を舐めつつ、笛に息を吹き込む。
柔らかな音色が流れ出す。
雅の身体が、徐々に光り出す。
「霜月鬼…『霞』」
彼女の肌を、薄水色の文字が滑り始める。
文字は軈て頭部へたどり着き、その二つの蒼球を囲う白すらも染め上げた。
だんだんと、その身体が透け出す。
こうなると、もう誰も彼女を認識できない。
谷崎の細雪の様に、幻影を出している訳ではない。
彼女は確かに、そこに存在している。
だが、彼女はまるで霧の様に、霞の様に透明になる。
人間の目が、中々水蒸気を視認出来ないのと同じだ。
隠密行動には、この技が一番向いている。
「…あんまり、身近に関わってる案件じゃあ無いと良いんだけどな」
久しぶりに隠密で疲れそうだ。
帰ったらケェキでも食べよう。
雅は今の手持ちで幾ら買えるか、心中で算盤を弾き始めた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
