第五十八話:証明せよ ページ22
「此処に置いて下さい」
「え!?」
鏡花の答えに、敦が再び目を剥く。
「何でもします」
「でも…そんな簡単には、」
「止めておけ」
狼狽する敦に、国木田の制止の声が重なる。
「元マフィアだからではない。仕事が無い訳でもない。だが止めておけ。…雅がやっていけて居るのは、本人の言う通り非常に有益性の高い異能を持ち、尚且つ本人にそれを使いこなす技量が在るからだ。誰もが出来る芸当では無い。それにな…甘い世界では無いぞ」
国木田の言葉の重さに、思わず敦は雅を見た。
然し雅は、黙って静かに、鏡花を見詰めるだけだった。
その価値を、測るかのように。
「そうだよ。それに此処にいたらいずれマフィアに見付かる。むしろ遠地に逃げたほうが…」
「私には、殺人の他は出来ないとあいつは云った」
「え？」
「違うと、自分に証明したい」
「…」
敦が、考えるかのように沈黙する。
嘗ての自分を、重ねているのだろうか。
「僕からもお願いします」
敦も福沢に頭を下げた。
鏡花が、驚いたかのように少し目を見開く。
「お願いです…」
「…」
鏡花は手を会わせ、福沢を見上げる。
福沢は長い沈黙の後、
「採用」
と答えた。その答えに周囲が目を剥く。
しかし。
「本気？鏡花」
「え？…っあ!?」
突如、雅が動き出した。
いつの間にか鏡花の背後に立ち、その首に手をかける。
「龍に言われたから殺しをやめる？自分を試す？もしかしたら其れに、あっくん達は巻き込まれるかもしれないのに？」
「みや、びさん」
「おい、止めろ雅!!」
国木田が雅の手を掴み上げ、鏡花が解放される。
コホコホと軽く咳き込む姿が痛ましい。
「マフィアから逃げたいなら、僕が君を隠す家を探してあげよう。何なら僕が君を隠してしまおう。君の繭と成ろう。だから、そんな『誰かに何か言われたから』で、人を救おうとするな。そんな安い事じゃないんだよ。それに巻き込まれる人々が憐れだ」
国木田の手を振り払い、雅は鏡花と視線を合わせた。
「僕らは所詮、闇に染められた生き物だ。闇が纏わりついてる。それらから、彼らを守れると誓えるのかい？」
「…判らない。でも、守る。貴女が、嘗て私を少しでも守ろうと任務を肩代わりして下さっていたのは知っています。私も、そう成りたい。貴女のように、優しくて強い人を守れる存在に」
「…ははっ」
雅が膝を払い、ゆっくりと立ち上がる。
「僕に憧れても、ろくな事が無いよ。憧れるなら、国さんや社長にしな。彼らの方がずっと素敵だ」
- 金 運: ★☆☆☆☆
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
