番外編2:太宰治生誕祭�� ページ11
「桜桃忌って、今日は随分可愛らしい名前の日ですね」
雅がカレンダーをパラパラと捲りながら呟く。
「…今日ってそんな日だった？」
雅を膝に乗せ、更に顎を肩に乗っけていた太宰か首を傾げた。
「急にどうしたの？」
「今朝方、フードを被った御姉さんに戴きました。ただ、これ何年のなんでしょうね？」
年代の所にモザイクが掛かってて読めないんですよ、と雅も首を傾げた。
「何かの異能物質かと思いましたが、だずぃーさんが触っても消えないので違いますね」
「そうだねぇ、私も22年間生きてきて桜桃忌なんて聞いた事が無い。どんな人だったの？」
雅はふむ、と考えるように顎に手を添えた。
「黒髪が美しい方でした。ただ、これを下さったときに『僕にはもう要らないの。もう居ないから』と仰られてましたね」
もしかしたら男性だったのかも知れません、声が中性的でした。
尚更判らない。
要らないは兎も角、居ないとは？
「…にしても、『桜』に『桃』の日か。幸せそうな日だねぇ」
「そうですか？僕には『忌』がどうにも哀しそうに見えます」
そう言うと突如雅がヒョイ、と太宰の膝から飛び降りた。
「もうすぐ菓子時なので、紅茶を淹れてきます」
そのままトタトタと給湯室の方へ駆けていってしまった。
「哀しい日、か…」
太宰はカレンダーから目を反らし、窓を見やった。
雅には言わなかったが、実はカレンダーに触れた時映像が一瞬見えたのだ。
大きな川の前で、一人の和服を着た女性が泣いている。
雨が降っており、掻き消されかけているが、確かに女性は泣いていた。
静かに、どこか厳かに、けれども激しく彼女の号哭が河原に響いていた。
本当に一瞬だったが、太宰はその女性が年不相応な泣き方をしているな、と思った。
顔立ちはよく見えなかったのに、頬を伝う雨ではない大きな水滴が、必死に叫ぶその口が、余りにも『苦しみ』を表現していた。
子供の様に素直に、だが大人らしく凛としたその佇まいは、ちぐはぐなのに何故か揃って見えた。
美しい、とすら思った。
「君は誰？」
独り言を浮かべながら、カレンダーを指先でなぞる。
当然声は、聞こえない。
そんな事を考えている自分に自嘲していると、インターホンと雅の声が同時に響いた。
「だずぃーさん、お茶入りましたよー！あと、ドア開けて下さい」
「はぁい」
言われるがままにドアを開けるために立ち上がった。
ドアを開けるとー
パンパンパン！
発砲音とともに紙吹雪が舞い、火薬の匂いがした。
「「「太宰、誕生日おめでとう!!」」」
「は？」
思わず間抜けな声が出たのは赦してほしい。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
