瓶詰の手紙/ページ1/マシュマロ少佐 ページ7
やっと見つけた。
後ろ姿だけで僕はそう確信した。
長く、艶やかな黒髪。
ヤマユリのような美しい佇まい。
名前を呼ぶと少し気だるげに振り向いてくれた。
振り向いた顔が驚愕の表情に歪む。
ああ。歪んだ顔も綺麗だ。
翡翠色の大きな瞳は零れ落ちるかと思われるほどに見開かれている。
スッとした睫毛。
よく通った鼻。
極めつけは林檎のような真っ赤な唇。
それが粉雪のような肌と合わさってより、栄えて見えた。
思い描いた通りだ。
「何で此処に居るの?」
君は鈴のような声震えながらで尋ねる。
「ふふ。君に会いに来たんだよ」
何でそんなわかりきった事を聞くかな?
もしかして僕の口から聞きたいとか?ふふふ、可愛いなぁ。
僕がニコニコしていると、彼女は悲しそうに顔を背け、肩を震わせ涙を流しはじめた。
「ごめん、なさい……ごめんなさい……」
「何で君が謝るの?悪いのは僕だ」
僕は両腕を広げながら彼女に近寄り、真珠のような涙を流す彼女をそっと抱きしめた。
「会いたかったよ。僕の愛しい人」
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作者名:文芸部 x他6人 | 作成日時:2018年3月1日 20時