その顔面殴っていいですか｡/ページ2/水素化リチウム ページ8
｢お母さん､塾のパンフレット｡置いとくね｣
母は､電話をしながらも私に微笑みかけてくれる｡
何て優しい母を持ったのだろうか――世には報われない人も沢山いるから｡
ちなみに､私がヤンキーな事は誰も知らない｡
勿論､親もである｡暴露するつもりは､微塵たりとも無いがな｡
てか――奥野先生？で良いのかな｡
まあ､奥野先生ってイケメンだよね｡世に言うだけど｡
______何だ､敵じゃあないか｡
私は大のイケメン嫌いだ｡
大体の奴は自分の容姿を誇りに感じ､鼻にかける｡
一言で言えば､爆ぜろ｡と言いたいほど｡
――だが､あのイケメンは違う｡
カッコイイ事を鼻にかけたりなんかしなそう｡
てか絶対ないと断言する｡
雨咲学院ねぇ――――｡
聞いたことはあるっちゃ､ある｡
駅前にドンと佇む大手塾だった気が｡
｢瀬架ー､一回リビング来て！｣
母だ｡母が､私を呼んでいる｡
ダメな時は何時もゴミ箱にすぐポイっとしてたのに。
まさかの――――OKってこと？
｢はぁーい､何何？ どうしたの？｣
疑問に思いながらも､駆け足で母の待つリビングへ向かう｡
そこには何時も温厚な母が､何時もよりも倍以上の笑みを浮かべていた｡
｢――――此処の塾､凄い良いわね！ 此処にしましょ！ 最近､アンタ学力低下してるしね｣
｢あはは､ごめんなさい｣
――――ごめんなさい､お母さん｡
私は嘘をついていますね｡
｢あ､明日体験申し込んでおいたから宜しくね！ 7時から！｣
……突拍子だね｡随分と｡何て､言えるはずもない｡
今日は日曜､明日は月曜｡
週２だから､予想は木曜｡
奥野先生いるかな……いや､いてほしい｡
そうじゃないと､私が私で無くなる｡
コミュ障発揮しちゃうから……誰か､一人でも知り合いがいたらなぁ｡
さて､少し塾に向けて頑張りますか｡
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雨音きこ(プロフ) - こよみさん» ありがとうございます。これからも頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します！ (2018年2月4日 11時) (
レス) id: 8cbcf612bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - こよみさん» ありがとうございました！！作者一同代表で言わせてもらいました。 (2018年2月2日 19時) (レス) id: 5d18b714a6 (このIDを非表示/違反報告)
こよみ - はじめまして。こんなすばらしい短編小説があったなんて驚きました。これからもがんばってください！ (2018年2月2日 18時) (レス) id: d3aea17110 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文芸部 x他7人 | 作成日時：2018年1月17日 20時
