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be with you *87 ページ38

呻き声と共に、私は目を開けた。

どうやら、まだ綾部の背中に背負われた状態のようだった。






…生きてる。






ぼんやり手のひらを握り返していると、
わきの下やらに布が固く結ばれていることに気付いた。
間接圧迫でも行ったのだろう。





意識がはっきりしたところで、





A「…綾部」

綾部「ん、A、大丈夫?」






相変わらずの表情で、ゆっくりと綾部は横目で私を見やる。





A「ありがと、でもまだ体は動かせないみたい」


綾部「話さないほうがいいんじゃないー?」


A「平気だ、…それよりごめん、ずっと背負ってもらって」


綾部「いいよ、Aは軽いから」


A「どさくさに紛れて大嘘つくな!」









そのまま、緊張感のない会話がしばらくつづいた。




A「綾部は、もっとずっと前を走っていたんじゃなかったのか?
  どうして穴に落ちた私のことを」



綾部「えーと。自分の作った落とし穴、落下星五号に落ちてなかなか出られなくて。
  だから大会にはほとんど参加してなかったんだよねー。
  その時にAが、穴か何かに落ちる瞬間を見かけたんだー」









こやつが言うと、本当か嘘か分からない。


私が眉をひそめていると。





やや離れた遠くの方から、
ドォ・・・ン、という銃声や着弾音が鳴り響いた。

そこから硝煙が空高く立ち上っている。


私はあわてて綾部の袖を引き、それを指で指し示す。





A「ちょっと、今の」

綾部「まただ…。早く学園に戻ったほうがよさそうだね。
  敵が近くにいるかもわからないし」





珍しく表情を硬くする綾部につられて、私も顔をこわばらせた。




綾部「Aは走れ…ないよね、つかまってて」

A「あー待った!もう走れる」




迷惑をかけてばかりもいられない。

目を丸くする綾部をそっちのけで、私は半ば強引に背中から降りた。





ふぬおおお、痛い…。

けれどさっきの悶絶する程の痛みに比べれば、はるかにマシというやつだった。

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≪今日のラッキーアクション≫

自分の自慢話を誰かに語りまくれ!!3時間語れれば合格。


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サラスティー(プロフ) - ももりんさん» ももりんさん、ありがとうございます…!戦闘シーンは私自身頑張ったところだったので(笑)とても嬉しいです!応援していただき感謝です…!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 生まれたてさん» そう言って頂けて嬉しいです、うーチャン!私も大好きなんです、勘右衛門が← (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 笹豆腐愛し隊隊長十六夜サザンさん» 殺気、分かります(笑)勘チャン…!嬉しいです!頑張ります! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん - バトルがおもしろかったです!続編楽しみにしてます!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 45e6ebfad2 (このIDを非表示/違反報告)
生まれたて - 勘ちゃんの戦闘シーンがかっこよすぎです!情景が浮かんできました!勘ちゃん愛してます♪ (2015年3月27日 11時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サラスティー | 作成日時:2015年1月12日 13時

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