be with you *83 ページ34
土井先生は、目を細めて遠くを見つめる。
すると微かではあるが、硝煙が空高く立ち上っている様子が目に映った。
表情が、強張る。
「裏々山方面か…」
「先生、どうかされましたか」
庄左エ門が土井先生に駆け寄ったのにつられて、
皆が土井先生の下から、我先にとグイグイ顔を出して外に目を向けた。
いち早く気付いた三次郎は、人差し指を突き出し、
「あっ、見て!あんなところから煙が!」
「あれ、でもあそこって確か、今上級生の先輩方が走られている場所…だよね」
「そんな!何かあったんだ…!」
心配そうに顔を見合わせる一同に、土井先生は、大丈夫だ、と強く言い放つ。
「けど、土井先生…」
「私は、すぐにほかの先生方と連絡を取る。お前たちはここで自習だ」
自習、と聞けば普段なら誰もが喜ぶはずであったが、今は誰も、何も言わなかった。
土井先生はそんな皆の表情を見かねてか、皆の頭を優しく撫でる。
そして庄左エ門に頼んだぞ、と言い残し、踵を返して教室を出て行った。
乱太郎が口を開く。
「自習していろ、と言われても…だって、気が気じゃないのに」
「だ、大丈夫だよ乱太郎。先輩たちに関係無い爆発だったのかもしれないよ…」
伊助が元気づけるも、その言葉もどんどんと尻すぼみになっていく。
するとしんベヱは唐突にも何かを指さして、
「あ、あれ見て!」
「ちょっと、しんべヱ!?」
しんベヱはあわあわと廊下に出た。
何かを掴んだその手には、何やら白い浮遊物が←
「あ、やっぱり平太の魂だった。僕返してくる!」←
『ダ―――ッ!』
こんな時に…、とみんなはお約束に則って一斉にズッこける。
そしてそんなしんべヱの後を追うように、は組は全員、ろ組の教室へ押しかけた。
―――――――――――――
「平太―――っ!」
「あ、しんべヱ…!平太ってばそんな所まで飛んでいっちゃったんだ…」
出迎えた怪士丸が、平太の魂を受け取り、
孫次郎に抱かれた平太の鼻の穴に、すうと吸い込ませた。
「平太、しっかり…」
「ん…」
平太の瞼が、ゆっくりと開かれる。
「良かったあ、無事だった!」←
皆が平太を取り囲んで騒いでいると、ろ組の伏木蔵が
乱太郎の袖を引っ張った。
「乱太郎、ちょっと」
be with you *84→←be with you *82
≪今日のラッキーアクション≫
自分の自慢話を誰かに語りまくれ!!3時間語れれば合格。
112人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラスティー(プロフ) - ももりんさん» ももりんさん、ありがとうございます…!戦闘シーンは私自身頑張ったところだったので(笑)とても嬉しいです!応援していただき感謝です…!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 生まれたてさん» そう言って頂けて嬉しいです、うーチャン!私も大好きなんです、勘右衛門が← (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 笹豆腐愛し隊隊長十六夜サザンさん» 殺気、分かります(笑)勘チャン…!嬉しいです!頑張ります! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん - バトルがおもしろかったです!続編楽しみにしてます!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 45e6ebfad2 (このIDを非表示/違反報告)
生まれたて - 勘ちゃんの戦闘シーンがかっこよすぎです!情景が浮かんできました!勘ちゃん愛してます♪ (2015年3月27日 11時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サラスティー | 作成日時:2015年1月12日 13時