be with you *77 ページ28
して、およそ三十分後。
ついに、時が来た。
A「どひゃー…」
私は始まる前から、死んだ魚のような目をしている。←
むしろそれより酷いと自負できる!
ちなみに私とタカ丸さんは、先生方の御配慮により列の前あたりからの出発だ。
すると、そんなスルメ状態の私を見かねてか、タカ丸さんが私に近づいてきて
ポンと私の肩に手を置く。
タカ丸「最善を尽くせば大丈夫だよー、Aー」
ベストを尽くす、か。
確かにそうだ。全力でぶつかるっきゃない。
遮二無二走りとおせば何とかなる!←
A「そうですね!タカ丸さんありがとうございます!」
タカ丸「…A、何だか体が震えているけど、大丈夫?」
A「む、むむ、むひゃぶるいですっ!!」
タカ丸「むひゃ?」
――――――――――――――――――――――――――
一も二もなくすぐに、四年生の出発時刻が訪れた。
鋭い火薬のような音が弾け、
私たちは、その合図とともに一斉に走り出す。
私も笑っている膝を無理やり前に押し出した。
周りの皆の足は、俊敏に規則正しく動いている。
まるで自分の足音に急かされでもしているようだった。
周りのその速さに、
タカ丸さんと私は、呆気なく他の四年生たちに追い抜かれてしまう。
その様子を見て、あちゃー、とタカ丸さんは笑ってみせた。
タカ丸「既に勝負あった、て感じだねー」
A「なんの、これからですよ!」
私が言っても、何ら説得力がないけれど…。
するとタカ丸さんは急に顔を強張らせて、私をまじまじと見つめてきた。
タカ丸「あ!」
A「な、なな何ですかタカ丸さん!?」
タカ丸「Aっ!!か、髪が傷んでる!」
A「ほっとけ」←
最近は髪の毛どころではない毎日だったからなぁ…。
同室である三木ヱ門の髪が
何故あれほどまでサラストなのか、嫉妬せざるを得ない。
A「三木ヱ門、恨むぞおおおお!!」←
私は朝の澄み渡った空を大きく仰ぎ、一人叫んでいた。
細くたなびいた薄紫色の雲が、私の瞳に小さく映る。
私はこの時、この後に起こる事など知る由もなくて。
まだ、笑顔でいられることが出来たのだと思う。
…――――――笑顔。
けれど今日を持って私の運命は、手のひらを返すようにひっくり返ることになるのだった。
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≪今日のラッキーアクション≫
自分の自慢話を誰かに語りまくれ!!3時間語れれば合格。
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サラスティー(プロフ) - ももりんさん» ももりんさん、ありがとうございます…!戦闘シーンは私自身頑張ったところだったので(笑)とても嬉しいです!応援していただき感謝です…!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 生まれたてさん» そう言って頂けて嬉しいです、うーチャン!私も大好きなんです、勘右衛門が← (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 笹豆腐愛し隊隊長十六夜サザンさん» 殺気、分かります(笑)勘チャン…!嬉しいです!頑張ります! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん - バトルがおもしろかったです!続編楽しみにしてます!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 45e6ebfad2 (このIDを非表示/違反報告)
生まれたて - 勘ちゃんの戦闘シーンがかっこよすぎです!情景が浮かんできました!勘ちゃん愛してます♪ (2015年3月27日 11時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラスティー | 作成日時:2015年1月12日 13時