[ＲＫＲＮ］綾部と私の３６５日＊3

be with you *52 綾部side ページ3

僕はまだ心残りがあるものの、歩を進めた。






さっき、
確かに視線を感じたような気がしたんだけど。

…気のせい、なのかな。









僕はまだ後方を気にしつつ、
前を歩くAをぼんやり眺めた。



何だろう…。この感じ。


言葉ではうまく言い表せられない。

山の中で三木エ門たちと出会った後でAを見つけて、
こんな風に過ごして。


その時気づく。









Aを、くの一として見てしまっていること。


そして知った、Aの身の上と涙。






僕はAの背中から目線をそらせ、
踏子ちゃんを強く握りしめた。



心臓が、なぜか痛い。

初めて、けれど、以前にもあったように感じるこの気持ち。









僕は顔をしかめたまま宙をながめた。
空は雲一つない青空―――――･･・


僕は肩に乗せていた踏子ちゃんを大きく振りかざした。

そろそろ研いでもらおうかな。
最近好調じゃないみたいだし…。








すると急に、横に立ち並ぶ木の間から、
ガザ、と葉が微かにこすれ合う音が聞こえた。





かと思えば、

何かがこちらに向かって飛んでくる。









あれは、戦輪・・・。









僕が目の端で戦輪をとらえた後に、
前でAが声をあげた。



A「うわ、手裏剣が飛んでくるぞ！」←


綾部「ん」




戦輪は弧を描きながら、けれど真っ直ぐこちらに迫ってくる。

僕は素早く踏子ちゃんを持ち替えて、持ち手の部分で
戦輪を受け止めた。








綾部「(――――っ、…重い)」




思わず体幹を使って体勢を持ち直す。

こんな学園の近くで戦輪投げを行う人物。

恐らくではあるけれど…。






　 『あっはっはー、いやぁーすまない！喜八郎！それにAもか！

　 今、輪子は反抗期ぎみでな、少しばかりやんちゃなのだ』









陽気な笑い声と共に木陰から現れたのは、
思った通り、同室の滝夜叉丸だった。



綾部「一般の人もたまに通るところだけどねー、この道…」





僕は踏子ちゃんに突き刺さった滝夜叉丸の戦輪を
ぐっと引っこ抜く。








だったらもしかして、
さっき感じた気配は、滝夜叉丸だったのかな。


無理があるけれどそう信じたい。

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≪今日のラッキーアクション≫

自分の自慢話を誰かに語りまくれ！！３時間語れれば合格。

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