[ＲＫＲＮ］綾部と私の３６５日＊3

be with you *68 ページ19

名前「って学園長先生！こんな真昼間から何呑気に寝ているんですか！」



ふすまを開けて、最初に目に入ったのは
ぐうたらと昼寝をしている学園長先生だった。

頭の下には枕替わりなのであろう本が無造作に置かれていて、
『かっこいい大川平次渦正』という題名が書かれているのが見えた。






学園長「いやぁすまんのぉ！伝記を読んでおったらいつの間にか寝てしまったようじゃ」

A「伝記て…。それで、ご用件は何でしょうか」




私は呆れ顔で学園長先生の前に腰を下ろした。




学園長「そうじゃ、A。お主、明日行われる大会には出場するのか」

A「やー…。そのことでしたか…。まぁ私の実力で出場出来るものならば」






その可能性は皆無だけど。

内心苦笑していると、
学園長先生は私が思ってもみなかった言葉を口にした。





学園長「しかし、お主は実技においては特に伸びしろがあるそうではないか！
　 一年ろ組に混じって行った隠法(隠れる術)の実習では非常に優秀であったと、
　 日向先生が評価しておられたぞ」


A「うん！？そうなんですか？
　 というより隠法でといわれても喜んでいいのか…」



私が軽く笑うと、
学園長先生はくわっと身を乗り出す。








学園長「何を言うかッ！忍者にとって身を隠すという行為は最も大切な行為の一つじゃ！
　 まぁ基礎体力をつける意味でAにその気があるのなら、
　 今大会に出場しても良いじゃろう」



A「えええええ、ちょ、ちょっと待ってください！
　 その気なんて無いです、本当に！」






私が慌てて本音を漏らすと学園長先生は、
ニヤ、と口元を引き上げ、



学園長「これから忍者として生きていくのならば諦めて出場することじゃ！
　 そういえば最近釘を刺しておらんかったが、万事上手くいっておるか」






そうか、学園長先生には私が過去の人間であると話していなかったな。

今話したところで騒ぎが広がるだけだと思うので、
あえてこの際は何もいうまい…！



ということはこの時の『万事上手くいく』は
『女性だという事実が漏れてはいないか』の意として受けとれた。


…綾部のことはこっちに置いておく。←





A「はい、誰にも。
　 というより、あの、学園長先生？やはり私は大会に出場…」


学園長「上手くいっておるか！それならばよい！」





放心状態の私がここに。

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≪今日のラッキーアクション≫

自分の自慢話を誰かに語りまくれ！！３時間語れれば合格。

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