be with you *66 ページ17
A「おっ…おお、綾部サン、どうした、よ」
綾部「え?Aの背中に蟻が上っていたから逃げた毒蟻かと思っただけー」
違ったけど、と綾部はいつものように呑気な表情で、つまんでいた蟻を放る。
何時間か前、
校庭で見かけたあの表情は何だったのだ←
そう思って綾部を眺めていると、私はその立ち姿に何らかの違和感を覚えた。
A「綾部?今日は踏鋤はどうした」
見上げるような体勢で尋ねると、
綾部は思い出したようにため息をつく。
綾部「朝、立花先輩に取り上げられてねー。食満先輩たちが、僕の作った落とし穴を埋めるのに
手間と費用がかかるから、とうとう作法委員会の予算からその分を差し引かれたんだって」
A「あぁ、それでか」
綾部はまるで他人事のような口調で淡々と話した。
それにしても元気のない様子が、私の目にはありありと映ったように思う。
私は尋ねた。
A「ほかの鋤は駄目なのか」
綾部「踏子ちゃんは一番使い慣れてるし。ずっと一緒にいるしね」
A「よく分からないが、とにかくもっと快活に…な!
とりあえずこの竹棒をやるから!」←
綾部「んー…今しがた、探してたんだけど飽きちゃって」
そう言うと綾部はさも疲れているかのように肩を回した。
駄目だ。この不思議ちゃんを誰か何とかしてくれ…。
私は片手を上げて、
A「分かった分かった!
来週にでも機会があれば、いつかの団子屋で私が奢るから!だから元気出して!」
私は無理矢理笑顔を作って見せる。
けれどあの団子屋にもう一度行くことは、私の希望でもあった。
これを聞くと綾部は少しだけ口角を上げて、いつかね、と微笑むように言った。
…いつか?
私は前に向き直ると、不思議に思って首を傾げた。
あの団子屋に行けない理由でもあるのだろうか。
けれど長く考えることは出来なかった。その直後に、
「じゃ、また後で」と、いつもと同じ綾部の素っ頓狂な声がしたので私は急いで振り返る。
A「おい、何処へ…」
綾部「図書室に用事があってー」
毒虫探ししてるっちゅーに!
呼び止めようとすると、
頭の片隅にあった早朝の滝夜叉丸との会話が蘇り、うまく言葉に出ない。
(…聞き出すのは、よすか)
私は、そのまま去っていく後ろ姿を見つめることしかできなかった。
be with you *67→←be with you *65
≪今日のラッキーアクション≫
自分の自慢話を誰かに語りまくれ!!3時間語れれば合格。
112人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サラスティー(プロフ) - ももりんさん» ももりんさん、ありがとうございます…!戦闘シーンは私自身頑張ったところだったので(笑)とても嬉しいです!応援していただき感謝です…!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 生まれたてさん» そう言って頂けて嬉しいです、うーチャン!私も大好きなんです、勘右衛門が← (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 笹豆腐愛し隊隊長十六夜サザンさん» 殺気、分かります(笑)勘チャン…!嬉しいです!頑張ります! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん - バトルがおもしろかったです!続編楽しみにしてます!! (2015年3月27日 16時) (レス) id: 45e6ebfad2 (このIDを非表示/違反報告)
生まれたて - 勘ちゃんの戦闘シーンがかっこよすぎです!情景が浮かんできました!勘ちゃん愛してます♪ (2015年3月27日 11時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サラスティー | 作成日時:2015年1月12日 13時