カルテ09 ページ10
･
｢やだっ！離せっ、人間!!｣
敦の部屋でシロは太宰に羽交い締めにされていた。
家の中で唯敦の言いつけを守り待っていた所、チャイムが鳴った。
覗き窓の存在も知らないシロは｢敦が帰ってきた｣と思い思いっきり扉を開けると立っていたのは太宰。
シロは距離を取ろうと背を向けた瞬間太宰に捕まりベットに押し倒されたのだ。
水しか摂取していないか弱い15歳の力では大人に勝てる訳もなく、太宰に服を捲られる。
｢如何してそんなに怯えているんだい？｣
｢ひぅぅ………ッあ、んっ……やだっ…｣
肌から浮かび上がる胸骨を冷たい指でなぞられ、如何わしい声を上げる。
厭だと云っても太宰を興奮させるだけだった。
｢云って御覧。君は何に怯えている…？｣
｢ひゃうぅ…｣
｢顔を赤くして首を振るだけじゃ、分からないよ？｣
意地悪く耳元で囁く太宰を直ぐに噛み殺したくても、恐怖とは違う謎の感覚が体を支配され出来ない。
｢お、とな、は…ボクにっ、ちゅっ、ちゅう…んんっ…｣
｢ちゃんと云って…？シロ…｣
｢ちゅう、しゃっ、するからっ……やだっ…｣
亦(また)あの痛みに襲われると思いシロの目に涙が溜まる。
太宰はそんなシロをジッと見詰める。
｢私はそんな事しないよ。君に注射はしないさ。｣
｢じゃあ何でっ…服、上げてるのっ…？｣
｢んー？ちょっと気持ちいい事して上げる。｣
太宰はそう微笑み、シロの顕になった首元を見る。
｢なに、するの…？やだっ、やめてっ、やめてよぉっ……！｣
ガリッ
｢っあぁぁっ!!あっ…………あぁっ………はっ…｣
雪の様に真白なシロの肌に赤い点線が付く。
暫くシロに噛み付いた太宰はゆっくり顔を離し、歯形をペロリと舐めた。
注射に似た痛みなのに何処か違っていて、目を見開いてはくはくと口を動かしながらシロは涙を流していた。
痛い筈なのに、甘い痺れが体を襲う。
｢っふ…先刻噛み付いた仕返しだよ？シロ君。｣
｢はーっ…………はーっ……｣
口元をペロッと舐めた太宰はそう微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 306人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです！続編希望です！！ (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます！続編希望です！ (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます！続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十一葉(といちば)さん | 作成日時：2016年8月9日 17時
