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カルテ06 ページ7

「さぁ、事情聴取と行こうか?」


谷崎が1歩前に出る。


「やだ、怖い、怖いよぉ…………」




怯えるシロを敦は困惑した表情で見る。



「あっ、あの、今日は止めにしませんか?」
「何故だい?早めにコイツの素性も知らないと後で面倒になるかも知れない。」
「与謝野さんの言っている事も一理ありますけど…怯えている彼に無理矢理吐かせるのは…」
「はぁ…そうかい。じゃあコイツは…シロはアンタに任せるよ。妾達は手を出さない。」
「然し、与謝野女医…」
「国木田、アンタも威嚇されたろ。シロは敦に任せる。」
「分かり、ました。」

与謝野と話をした敦はシロの手を引いてその場を後にした。









「シロ、あの人達はいい人達だよ。どうして怖がるの?」

敦の言葉にビクッと肩を震わせる。


「だって…あっくんと、違うんだもん…」
「僕と?」
「あの人間達は、研究者達と同じ臭いがする…子供じゃない、別の臭いがするんだ…」


シロの言葉に敦は驚いた。
若しかすると、シロは「大人」を知らないのではないか。


「ねェシロ。シロは大人って知ってる?」

シロはふるふると首を横に振る。



「あの人達…国木田さん達は、その大人なんだよ。きっとシロが云う研究者も、大人。」
「じゃあ、ボクに注射するの?」
「しないよ。あの人達は優しいから。だから絶対、シロに注射なんてしない。勿論僕も。」
「本当…?」
「うん。」

敦はシロを宥めた。

それでもシロは頑なに国木田達を拒む。




「…じゃあ、谷崎君は?」
「たに、ざき?」
「うん。彼は未だ大人じゃないよ。まだ…子供。ナオミさんも、子供だよ。」
「…女、怖い。たにざきがいい。」
「お話出来る?」
「…頑張る。」


力なく頷くシロに敦は頷き返して、自室に谷崎を呼んだ。


「はじめまして、シロ君。ボクは谷崎潤一郎。先刻は驚かせてごめんね。」
「たにざき、じっ、じゅん、いち、ろ…」
「あっ、ごめんね。覚えづらいかも…」
「じゅん。じゅんにする。」
「…!うん、それでお願い。」


谷崎は付けられた渾名に嫌な顔一つせず、笑顔で頷いた。


──────────────────


突然ですが書き方変えました汗

そして1日で100hit越え有難うございます
_○/|_ 土下座

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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

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