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カルテ37 ページ40

「到着しました。」
「有難うございます。…シロ、着いたよ。起きて。」
「んぅ…?」




目的地に到着し、シロを起こす。





「見る限りお2人は未成年でしょう。代金は半額で構いませんよ。」
「有難うございます!」



タクシー代は半額で済んだので敦のサイフへの打撃も辛うじて軽減できた。






時刻は19:10。待ち合わせの時間より早く着いた。
タクシーが走り去るのを見届けると研究所に向かって歩き出す。






「此処って………」
「…ゴメン、シロ。」


場所に気づいたシロは敦の腕を掴んで震え始めた。



「厭……あっくんっ…帰ろうっ…」
「シロ、落ち着いて…」
「ボク亦注射されるの…?
人間達に無理矢理触れるの…?」
「違う!シロは絶対に傷付けないから!」




今にも泣き出しそうなシロを宥める為に抱きしめた。シロは敦の腕の中で涙を堪えて荒く息をする。




背中を撫でシロが落ち着いくと太宰と国木田もやって来た。




「やァ敦君!そしてシロ君〜!!」
「ぎゃぁぁ!?来るな人間ー!」



案の定太宰に追い掛けられると何時もの様に逃げるシロ。
敦が太宰を止めた所ですっかり汚くなった研究所に足を踏み入れた。



「シロ君、君が囚われていた所まで案内してくれるかい?」
「…こっち。」


シロの隣で渡された懐中電灯を持ち、歩く敦の後ろを太宰と国木田がついて行く。




「……此処。」


到着した其処は割れたガラスも落ちていて危なかった。
天井もケーブルが垂れている。




「じゃあ、此処に呼んだ理由を話そうか。シロ君。」




太宰がシロと向き合う。
































「君は異能力者だね。」


太宰の言葉にシロは驚くばかりだった。



「何で?前に違うって…!」
「いいや、君は異能力者だ。
しかも人工的な異能を持つ、能力者。」



云い返すシロの言葉を遮る太宰に、敦と国木田も驚きを隠せない。




「そもそも君が管を通して注がれていたのはサキシトキシンなんて物じゃなかった。与謝野先生に調べてもらったからね。」
「じゃあ何だと云うんですか?太宰さん!」



勿体ぶるように云う太宰に敦が迫る。




「乱歩さんが云うには…之は“異能誘発剤”だよ。」

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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

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