カルテ31 ページ34
｢っ………｣
『異能も無い凡人が…………………』
家に着き風呂から上がったシロは1人、ベットに横になり芥川の言葉を思い出していた。
･
依頼者に手を上げるというクーデターが起こったとはいえ、事件は乱歩の手によって解決の道を歩き始めた。
其れでも事件解決の歩を危ぶめた挙句ポートマフィアの標的になった事に変わりはない。
(ボクが、いなくなれば…
みんな、痛い思いしない……？)
そんな考えが頭を過ぎる。
｢シーロ？｣
｢ッ！あっくん………｣
風呂から上がった敦がシロの顔を覗き込む。
その目は何かを決意した様で、何処となく敦は厭な予感がした。
｢…今日の事、未だ気にしてる？｣
｢…当たり前だよ…。｣
｢そんなに気にする事無いよ。
僕だって最初は失敗ばかりだったし…｣
｢うん…｣
言葉が途切れ、黙り込む。
｢…あ、そうだ！｣
｢…？｣
｢シロはさ、何かやりたい事とか無いの？｣
｢やりたい事…？｣
｢そう！お願い事とかさ。｣
｢お願い事…｣
シロは今に至る迄の出来事を振り返る。
思い出せば思い出す程後悔が募り自分が惨めに見える。
でも、もし叶えられるなら──────
｢…3つ、ある。｣
｢教えて？｣
｢…お父さんとお母さんに会いたい。｣
｢…うん。｣
｢あっくんと、ずっと一緒に居たい。｣
｢…！うん。｣
｢後1つは──────────────｣
残り1つは、敦にとって叶える事が容易い物で、思わず笑が零れる。
･
･
･
『ボクを新しい世界に連れ出してくれたあの恰好いい動物にお礼が云いたい。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 306人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです！続編希望です！！ (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます！続編希望です！ (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます！続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十一葉(といちば)さん | 作成日時：2016年8月9日 17時
