カルテ29 ページ32
「ん……う…?」
「シロ、大丈夫?」
「あっ、くん…?」
目を覚ましたシロは眼前に迫る敦の顔をぼんやりと見詰める。
「ッ!!りゅうくんは!?」
「「りゅうくん!?」」
体を起こしたシロの言葉に全員が驚く。
敵に渾名を付ける者なんてそうそう居ない。
「シロ、りゅっ、りゅうくんって…」
「あくたっ、が、わ、りゅうの、すけ、だけど…」
「えぇ……………」
「?」
あっくんと、りゅうくん。
名前の感じが一緒で敦は微妙だった。
・
「シロ、異能を使った事覚えてる?」
「っえ………?ボクが、異能、を…?」
「覚えてないの?」
「何の、事…?ボク、りゅうくんに殺されかけて…それから気を失って…」
「覚えてないみたいだね…」
2人の話に乱歩が割って入る。
「本当に覚えてないの?シロ君。」
「らんらん…本当に、覚えてないんだ…」
「ふーん………」
乱歩のシロを怪しむ目は離れない。
敦はシロの背をなでる。
「抑何故、芥川と会ったんだ?」
「…ボク、依頼した女、傷つけたんだ。」
「はァ!?貴様、何て事をッ…!」
「国木田さん、落ち着いて…」
「其れで逃げてたらいつの間にか街で…
怖くなって建物の隙間に入ったらりゅうくんが…」
シロは少し震えながらゆっくり話す。
最も、国木田は怒り心頭だったが。
「右腕、怪我してて…手当したんだ…
そしたら急に、いけ、どり?だって…」
「生け捕り…だと!?」
「シロも敦みたいに懸賞金がかけられてるって事かい?」
「分かんない…でも、りゅうくんが言ってた…
ボク、殺されちゃうのかな…?」
芥川がシロに植え付けた恐怖は大きく、頭の中は殺されるのでは無いかという不安が埋め尽くされていた。
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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時