カルテ28 ページ30
芥川は驚愕した。
シロの体が突然銀色のオーラに包まれる。
──────之は、異能発動の…
･
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･
｢グルルルルル……………｣
発光が収まり芥川が目にしたのは、闇に浮かぶ赤い2つの瞳。
夜目が利く芥川は其れの正体を察知した。
｢……貴様は、狼か………
面白い………人虎の次は人狼とはな…｣
芥川は笑う。相手にとって不足はないと。
｢グルァァァッ!!!!｣
｢っ!?｣
羅生門が狼を喰らおうとした時、狼は瞬時に避け前足で芥川を壁に吹っ飛ばす。
壁に叩きつけられた芥川は口についた血を拭い、再び異能を発動させる。
｢羅生門─────────顎(あぎと)!!｣
羅生門が鋭い刃となり狼を襲う。
然し顎でさえ、狼のスピードに追い付くのは難しかった。
左を攻撃すれば右に現れ、右を攻撃すれば上へ高く跳躍する。
狼が芥川を喰らう瞬間、
･
月光が芥川と狼を照らした。
｢うっ………ぐぁっ………がぁぁぁぁぁっ!!!!!!!｣
獣の咆哮を上げた狼は芥川の鼻先で再び発光する。
顔を覆っていた腕を下ろすと、地面で四つん這いになり肩で息をするシロ。
･
｢貴様は月光下に於いて能力は発動出来ないと見た──────其の命、我らポートマフィアの為に散らせて頂く。｣
｢はぁ、はぁ、っく…………厭、だッ!!!!｣
｢僕に刃向かう事など出来ぬ。｣
羅生門を近づけシロに触れようとした瞬間。
･
･
｢シロッ!!!!!!!｣
｢人虎───────────｣
敦と乱歩が駆け付けた。
｢矢っ張り僕の超推理にかかれば簡単に見つけられるねぇ♪｣
｢乱歩さん、有難うございます！…芥川ッ…!!｣
｢ふん、未だ己を操りきれぬ人虎に戦闘能力の無い異能者…僕の羅生門があれば粉砕も容易いが、今日の所は引こう。だが次は無い。｣
そう言い残して芥川は闇に消えた。
敦はグッタリしているシロをおぶって、乱歩と共に事務所を目指した。
･
･
『シロ君は異能力者だ…其れも、昨日と似たようなね。』
『そして今回の事件の犯人もシロ君。只、本人は気付いているのかは分からないけど。其れにに気づいてるとしたら犯行動機もね。』
『警察には犯人は獣の類って事にしておこう…逆に証拠から人間だと炙り出すのも難しいしね。』
シロを捜索する前に乱歩から聞いた事件の真実が頭から離れない敦だった。
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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです！続編希望です！！ (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます！続編希望です！ (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます！続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十一葉(といちば)さん | 作成日時：2016年8月9日 17時
