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カルテ16 ページ17

「失礼します、社長。例の研究所の少年を連れてきました。」
「…入れ。」



福沢の言葉に3人が入る。其の3人を見て福沢の眉間に皺ができた。
国木田は普通だった。だがその隣の太宰の腕にはジタバタと暴れるシロ。





「離せッ!人間ッ!!!!」
「こんな可愛い小動物を離せと云われて離す方が可笑しいよ〜」
「可笑しいのはお前だ太宰。」



シロを素早く奪った国木田は下にシロを下ろす。



「…名前は?」
「この人間怖いよぉ………」



福沢がギロリと睨む様にシロを見ると、シロはビクッと震えて国木田の後ろに隠れた。



「はぁ……小僧2号、社長はお前に何もしない。だから質問に答えてみろ。」
「あぅ…………」
「…もう一度聞く。名前は?」
「…………………シロ。」
「研究所では何と呼ばれていた?」



攻める様な質問に震えながら、1歩進み出て

「…献体No.1154793、です。」

そう答えた。



「お前が、か………」
「…あの。」
「なんだ。」
「ヒッ……何で、ボクを呼んだんですか……」
「…?太宰から何も聞いていないのか。」
「え…?」




話を振られた太宰は「忘れてた〜」と言いながら背後からシロを抱きしめた。



「はな、れろッ………」
「シロく〜ん、今日から…正確には昨日からだけど、君はうちの事務所が預かる事になったよ〜?」
「は……………はぁッ!!!!!??」



太宰の突然の宣告に驚きを隠せないシロ。


「やだやだッ!何で人間と一緒にいなきゃいけないのッ!!」
「そうは言っても君、宛てが無いでしょ?研究所私達が壊しちゃったし。」
「でもッ………」
「でもも何も無いよ?決定だからね。」



嬉しそうに笑う太宰を他所に「絶望」の2文字が浮かぶシロだった。

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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

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