カルテ13 ページ14
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『っああああああ!!!やだぁっ!!』
暗闇の中、身体が拘束された中でシロは怯えていた。
シロの寝る実験台を囲む様に立つ研究者達。
シロは既に自分が今から何をされるか感づいていた。
医者の1人が注射器を取り出す。
周りの医者が更にシロを拘束する。
シロの瞳には医者が手にした注射器しか見えていない。
シロが注射器を怖がるのは痛みを恐れているのみではない。
之を打たれ順応出来なかった者達の末路を見てきたからだ。
『離してぇッ!!んんッ…!!!!』
決まって研究者達は悲鳴を上げ嫌がるシロを落ち着かせる為に無理矢理口付けをしたりした。
注射への恐怖を与えられる快楽へ意識を向けようとしたからだ。
唇に無理矢理されて、胸の飾りを弄られ、耳を甘噛みして、白い身体中に痕を残す。
シロの全身の赤い痕は注射痕だけでは無かったのだ。
厭なのに、逃げたいのに、体が反応して動けない。
涙が頬を伝う時、針がシロの柔肌に───…
｢ああああああああああああ!!!!!!!｣
｢シロッ!!!??｣
シロが飛び起きる。
辺りは暗くて、隣で敦が心配そうにシロを見ていた。
｢あっ、くん………ごめんなさい…｣
｢大丈夫。ほら、落ち着いて…？｣
呼吸が乱れているシロを落ち着かせる為に背中をさする。
過呼吸気味だったが直に落ち着いて来た。
｢悪い夢見た…？｣
｢ふっ……ふぇ………｣
｢シロ、大丈夫。此処には僕しか居ないよ。だから泣かないで…？｣
先刻見た悪夢を思い出すシロをそっと抱き寄せた。
尚もシロは泣く。
｢…厭な、夢、見た…研究者達に、注射、されたの…｣
｢厭だって言っても、
無理矢理ちゅうされて、色んな所触られて、
注射されそうになった。｣
｢え…｣
シロの言葉に敦は絶句した。
研究者達にシロは汚されていたのだと。
｢怖いよぉ………あっくん…｣
｢じゃあ、僕が隣で寝てあげる。｣
｢本当？｣
｢うん。一緒に寝よ。｣
｢うん……｣
敦はシロの隣で寝た。
シロを抱きしめると敦の心臓の音が聞こえる。
シロは安心感を覚え目を閉じた。
｢僕が、シロを守らなきゃ…｣
敦は1人決意し、シロの額に口付けて眠った。
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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです！続編希望です！！ (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます！続編希望です！ (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます！続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十一葉(といちば)さん | 作成日時：2016年8月9日 17時
