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カルテ11 ページ12







「…僕は絶対に、シロに痛い事しない。注射もしない。約束する。」
「……約束…?」
「うん。約束。」
「っん……」




シロに優しく言い聞かせた敦はシロの唇に口付ける。
触れるだけの口付けに頭がボーッとするのを感じたシロは委ねようと目を閉じる。

10秒程口付けをした後、敦は唇を離す。
目がトロンとして頬がほんのり赤く染まっているシロは妖艶だった。





敦は自身を抑えつつシロに服を着せて向き合う体制になった。


「シロ、ドアのチャイムが鳴っても勝手に出ちゃ駄目だよ。」
「でも、ボクが出ないとあっくんが…」
「若し僕が居ないなら、覗き窓で確認して。」
「覗き窓…?」



首を右に傾けるシロの左腕を引いて玄関に連れていく。
そして扉に付いている小さな穴を指さした。

「之が覗き窓。之を覗くと大抵は扉の向こうに誰がいるのか分かるよ。」

そう教えると敦は扉を開け外に出て、チャイムを鳴らす。
背伸びをしたシロが覗き窓を覗いてみると、敦が見えた。

「凄いっ、あっくんがいるー!」
「ね?次からはちゃんと確認するんだ。
今日みたいな事があったら大変だからね。」
「はぁい。」




シロの呑気な返事に敦は少し頬を緩める。




「今日はもう上がらせて貰ったから一緒に居れるよ。」
「本当っ?やったぁ…!!」

敦の言葉に喜んだシロはふたたび抱き着く。

「それで、シロにとっては大変かもしれないけど、ご飯作ろっか。」
「ご飯…?お水………?」
「お水じゃなくて、ちゃんとしたの。
僕が普段食べている物、シロに食べさせてあげる。」
「本当?」
「勿論。でも、その前に。」


敦は棚から包丁や皿、まな板等を取り出す。

不思議そうに見詰めるシロに敦がニッコリ笑う。


「一緒に作ろっか。」


敦はシロを襲った人間が太宰だと知る事は当分無かった。


──────────────────

作成して2日目で1000hitを超える猛挙…

有難うございます((スライディング土下座

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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

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