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カルテ10 ページ11

「…以上が今回あの研究所を破壊した際の全てです。」

「ご苦労、中島。」



福沢の言葉を聞いて「失礼します」と一礼をし敦は福沢の部屋を後にした。





…嫌な予感がする。
報告を始めた頃から謎の違和感が頭から離れない。

敦は仲間に家に戻る旨を伝え、早足で戻る。



ガチャッ



鍵をかけたドアが安易に開き不信を抱きつつ中に入る。







「ふっ……うぅっ…………」
「!?」

中に入るとベットの上でシロが泣いていた。
しかも上半身は脱がされ首元には赤い痕。

敦は白い肌に思わず息を飲んだが、直ぐにシロの元に駆け寄る。


「シロッ!シロ!!大丈夫!?何があったの!?」
「あっくんっ…………」

シロは敦だと知り抱き着く。
敦はシロを安心させようと抱きしめ返した。


「如何したの?誰にやられたの!?」
「にっ、人間…入れた。
逃げ様としたら、捕まって…首噛まれた…」
「どうして入れたの!?待っててって………」


最後まで云おうとした所で止まる。





シロが涙を流しながら上目遣いで見て来たのだ。
何かに怯える仔犬の様に寂しげに瞳を震わせ、手をギュッと掴む仕草は早々怒れる物でも無かった。



「…ゴメン。怒鳴っちゃって。」
「………………て…」
「シロ…?」



「あっくん、許してっ………
何でもっ、するからぁっ…
だから注射、とか、痛いの、やらないで……」


泣きながら懇願するその姿は、改めてシロの幼さを感じさせる物だった。

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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

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