【文スト】献体No.1154793【男主】

カルテ01 ページ2

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ｺﾎﾟﾎﾟﾎﾟﾎﾟ.........






少年が液体の中で目を見開く。

研究者達が束ねられた紙と少年を交互に見やり、何かを話す。


この液体の中が少年の家で、ガラス越しに見える景色が少年にとっての世界。


この研究所から出た事なんて無い。

出ようとも思わない。



でも、注射は嫌だなァ………………



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ガシャンッ!!!!!



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｢！？｣


突然の破壊音。
研究者達は後ろを振り向く。

視線の先には1体の大きな動物。
4足で歩いて、銀色の毛で黒い模様が入っている。

かっこいいなァ。


アレは見たこと無いなァ…
何て言うんだろ…


謎の動物は研究者達を次々に蹴散らして行く。


そのまま前に進み出た動物は少年のいるガラスケースの前に止まり、大きな金色の瞳で少年を映し出す。

見れば見るほど嫌な体だなァ…


手や足を動かしたくても、管で繋がれてるから適わない。
マスクをしてるから口を動かせない。

只目で追いかけるばかり。


するとその動物は少年の家を壊した。

いとも簡単に。


ボクのお家ってこんなに壊れやすかったんだ…



そんな事を思っていると、床に投げ出された。


そして大きな動物が口を開ける。

嗚呼、食べられちゃうんだなァ…



ガブッ



動物が噛んだのはボクの首。

噛まれているのに痛みは少ない。

あんなに鋭い歯なのに、注射よりも痛くないや…

動物は来た道を引き返す。


いつの間にか床はツルツルしてなくて、ゴツゴツしてた。
茶色が見える。


後ろを振り向くと、先刻少年がいた世界は燃えていた。

呆気ない。



上を見上げると、黒と青が混ざった天井に光る何かがあった。


これがきっとボクの新しい世界なんだ。


少年は気を失った。

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