【Fischer's】お隣さんが騒がしい！2【モトキ】 (ページ7)

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マ「まだAちゃんが引っ越してきて1か月も経ってねぇし、仕方ないんじゃね？」

モ「あー、そう考えたらなんか短く感じるね」

マサイに言われて改めて、Aちゃんが引っ越してきた日から、1か月も経ってなかった事に気付いた。

ちょっとしたきっかけから、ご飯をみんなで一緒に食べる仲になり、今後もなにかしらあると思い込んでいた程にAちゃんが溶け込んでいる事に、自分でも正直驚いた。

それが彼女の無自覚の部分なのか、仲良くしていきたい気持ちから来る俺の願望なのかは定かではないが、心配な事には変わりない。
隣人同士だからこそ特に、俺らが撮影ではしゃぎすぎて煩くなってないかとか、俺らが思ってるより友人関係はまだ築けてなかったりするのではないかと懸念していた。

だからこそ、メンバーでの話し合いから日が経ってないうちにこうしてAちゃんと話すことが出来て良かったと思う。

ふと数日前の出来事を思い出し、心配だった部分も俺の取り越し苦労で済んだことに、ホッ胸を撫で下ろしていたら、Aちゃんが突然俺の頬に触れた。

シ「えっ・・・」

「あ、ごめんね！蚊がとまってたから」

流石に叩けないし、と苦笑いを浮かべながら俺の頬から逃げ出したであろう蚊を、手で遠くへ逃げるように払いのけている。

「ほっぺが赤く腫れてたら撮影に支障があるかもだしね」

シ「俺らはそんな高尚なもんじゃねえよ」

本人には関係のない撮影事情を危惧してくれることは、素直に嬉しいと思ったが、残念ながら顔を売りとしない俺らには縁のない話だった。
自分でそう思いながらも、軽い虚しさに襲われたのは言わないでおこうと思う。

シ「蚊も多いし帰るか。Aちゃん刺されてない？」

「多分平気！死ぬわけでもないし！」

二人並んで公園を出て、家へと再び歩き出す。
他愛ない話をしながら歩けば、家はあっという間に見えてきた。
Aちゃんの家の前で立ち止まり、見送ろうとした時、俺の家の扉が勢いよく開いた。

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