【Fischer's】お隣さんが騒がしい！2【モトキ】 (ページ14)

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「う、うん。ちょっと横になってもいい？」

なんとか誤魔化したい気持ちで苦し紛れに言えば、2人は申し訳ないくらいに快く了承してくれた。

マ「俺の布団でよかったら使う？寝室は向こうだから」

「あ、その・・・」

マ「うん？」

言い出したのは自分なのに、少し戸惑った。
正直、今は1人になりたくなかった。誤魔化すつもりだっただけなのに、自分の発言に軽く後悔する。

モ「マサイこっちに布団持ってきていい？」

マ「おん？別に構わねぇけど」

モ「サンキュー。Aちゃん、待ってて」

モトキくんは私に笑いかけてから寝室へ向かい、すぐに布団を抱えて帰って来た。

モ「はい。俺たちもここにいるから、楽にしてて」

「でも、ここだと」

モ「いいからお甘えなさいっ。迷惑じゃないから」

「！」

布団をずいっと押し付けられる。ふざけたような口調ではあるが、モトキくんにはどうやら私の言いたい事はお見通しらしい。

マ「そっか。そら怖ぇよな。気付かなくてごめんな」

マサイくんはわたしの前にわざわざ移動して、目線を合わせるようにして謝りながらも、私から布団を一度奪う。

マ「そこの座椅子使った方が柔らかいから、ほら」

座椅子に寝転ぶようにと勧められて、おずおずと座椅子の上へ移動すれば、広げた布団を肩からかけてくれた。

体調も特には悪くはなく、本当に赤くなるのが恥ずかしくて誤魔化したかっただけなのに、こんなにも2人に献身的にされてしまうと申し訳ない。
今更、嘘でーす！とも言えず、座椅子に渋々横になる。

ちらり、2人を盗み見ればモトキくんと目が合う。

モ「大丈夫？ちょっとでも休んでね」

「ありがとう・・・」

モ「うん。えらいえらい」

また、頭を撫でてくれる。
モトキくんの温かな手は自分が思うより安心材料になっていて、今日は特に甘んじてしまっている。

布団に包まれて、本来は眠るつもりなんて無かった筈が、その心地よさをに目を瞑れば、意識はあっという間に深い深い海へ沈むように落ちていった。

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