イナズマイレブン【一斉・ひとりかくれんぼ】１０−回想編−

＃１９０ “根拠”、ありません ページ1

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「…遅いっすね、音無さん」


「だから、大丈夫だっつーの」


「でも…」


「壁山ぁ…あのなぁ…」


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音無が出ていってから、
何分たっただろうか。


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染岡は携帯を開く。

しかし、相変わらず時計は
時を刻んでいなかった。


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「…テレビももう一回つけてみたが…やっぱり変化無し…か」


「俺たち…助かるっすかぁ？」


「壁山！弱気になるな！」


「は、はいっす！！」


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壁山は染岡に怒鳴られ、
身体をしょぼんとさせる。


染岡はため息をついた。


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確かに“あの時”の音無の話を聞いて、
こいつなら大丈夫という気がした。


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しかし、女の子１人で…

暗闇の…しかも鬼が
動いている廊下に出させて、

探しにいかせるのは…

流石に危険だった。


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『いいのか、音無』


『はい…私はまだ大丈夫です…これくらいの傷…だから…お兄ちゃん達を…』


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『皆さんを、探して来ます』


『でも…無事なのか…いや、生きてるか…！分からないぞ？！』


『生きてますよ…絶対に』


『じゃあ、その“根拠”はあるのか？』


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『“根拠”、ありません』


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『“希望”、ならあります』


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―――……バタンッ！！


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「っ…――！」


「ひっ？！な、なんすか？！」


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突然、リビングのドアが開いた。

壁山は悲鳴を上げた。


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――……まさか？


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＃１９１ 音無…お前！！→

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